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【地方】：関東地方
【都道府県】：神奈川県
【市町村】：横浜市鶴見区
【面積】：33.21km2
【総人口】：298,484人（2025年6月1日）

●概要（掲載時）

■ 港と人の交差点としての鶴見
神奈川県の東部に位置し、東京湾を望む場所に広がる横浜市鶴見区は、都市の利便性と多文化が融合した活気ある地域です。京浜工業地帯の一翼を担いながらも、川沿いには静けさを残し、歴史ある寺社や昭和の香りを色濃く残す商店街など、多彩な表情を持つ地域となっています。鶴見川や入江川が流れ、運河や港湾施設に抱かれながら、その立地は「港町」としての役割を現在も継続させています。

■ 地形と地理―水と陸が溶け合う場所
鶴見区は、東京湾の海岸線を持ちつつ、丘陵地帯と低地の間に多様な市街地が展開しています。鶴見川を中心に形成された谷地形と、加瀬山や獅子ヶ谷などの緩やかな丘が立体的な景観を生んでいます。北東部では川崎市幸区と接し、南西では横浜市神奈川区と隣り合います。交通面では、JR京浜東北線や鶴見線、京急本線が区内を通り抜け、都心や横浜中心部へのアクセスも至便。首都高速湾岸線や国道15号線（第一京浜）も通り、車での移動もスムーズです。

■ 鶴見という名の由来と過去の姿
「鶴見」の地名は、かつてこの地に「鶴が飛来する湿地」が広がっていたことに由来すると言われています。中世には村落が形成され、江戸時代には東海道の宿場町ではなかったものの、要所として栄えました。特に大正から昭和初期にかけては、京浜工業地帯の発展と共に、工場労働者やその家族が多く住まうようになり、人口も急増しました。
また、大正時代には多くの外国人労働者や移住者が鶴見に定住するようになり、その結果として多国籍な文化がこの地に根付きました。鶴見にある「ブラジル人学校」や「南米料理店」などは、そうした歴史の証左です。

■ 京浜工業地帯と共に歩んだ発展の道
鶴見の大きな特徴は、重化学工業と物流を中心とした「産業の拠点」としての顔です。とりわけ京浜工業地帯に属する臨海部では、製鉄所や化学工場、倉庫群が立ち並び、昼夜を問わず稼働しています。戦後の高度経済成長期には、こうした工業インフラが地域の経済と人口を強く支えました。特に鶴見線の存在は工業地帯の労働輸送を担い、地域の骨格となる交通機関として今もなお利用されています。

■ 鶴見寺町通りと信仰の風景
鶴見には、神奈川でも珍しい仏教の一大拠点が存在します。特に鶴見中央から生麦方面へと続く「鶴見寺町通り」には、名刹として知られる「総持寺」が構え、曹洞宗の大本山として今も修行僧が集まる霊場です。1907年に石川県から移転されたこの寺は、厳かな境内と広大な敷地を持ち、多くの参詣者を惹きつけています。
また、総持寺を中心に周囲にも寺院が多く点在し、仏教文化が色濃く残る地域風景を形成しています。このため「寺町」としても知られ、四季折々の法要や行事が地域住民と一体になって営まれているのが特徴です。

■ 多文化が交差する生活空間
鶴見区は神奈川県内でも特に外国人住民の割合が高く、ブラジル・ペルー・中国・フィリピンなど、さまざまな国の人々が暮らしています。その結果、地域にはポルトガル語表記の掲示板や、各国の料理が並ぶ食料品店があり、街並みからも「多国籍感」が漂います。
特に有名なのは「ブラジル人学校（エスコーラ・アレグリア）」で、南米からの帰国子女や移住者の教育拠点となっています。また、毎年開催される「インターナショナルフェスタ」では、各国の文化交流が活発に行われ、音楽やダンス、食文化を通して鶴見の国際性が表現されます。

■ 鶴見の風情を味わえる名所
風情ある散策地としては、「三ツ池公園」が外せません。池の周りに桜や紅葉が植えられ、春には多くの花見客で賑わいます。園内には日本庭園風のエリアもあり、都市にいながら四季の変化を肌で感じられる憩いの場です。
また、「潮見橋」や「鶴見川河川敷」も人気の散歩スポットで、夕暮れ時の空と水面が織り成す風景は、地元住民にとっても心の癒やしの場となっています。かつての漁師町の面影を残す生麦地域もまた、独特の歴史情緒を感じさせるエリアです。

■ 鶴見の食文化と人情味
鶴見には、昔ながらの商店街や個人経営の食堂が数多く残っており、そこで味わえるのは決して観光地化されていない“地元の味”。特に、戦後から続く「鶴見銀座商店街」や「潮田商店街」などでは、焼き鳥、コロッケ、惣菜などがテイクアウトで売られ、夕方になると仕事帰りの人々が列をなします。
また、南米系のレストランや中国料理、ベトナム料理店も多く、異文化の料理に触れられるのも鶴見の魅力。まさに“食”を通じて異国情緒と地域の人情が交差する地といえるでしょう。

■ 未来へ向かう鶴見の姿
近年では、臨海部の再開発や物流施設の拡充、住宅地の整備が進められており、「働く街」から「住む街」へとその顔つきも変わり始めています。ファミリー層の流入に伴い、保育施設や公園の整備も積極的に行われ、鶴見駅周辺ではタワーマンション建設も進行中です。
また、歴史あるエリアと新興の開発地域が混在することで、まちづくりにおいて“旧と新の共存”というテーマが重要になってきています。自治会や地域団体、学校、企業、外国人コミュニティが協力し合う「共生型のまちづくり」こそ、鶴見がこれから描こうとしている未来像といえるでしょう。

●地域（掲載時）

■ 鶴見の玄関口「鶴見駅周辺」
都会と下町の共鳴
区内でも特ににぎわいを見せるのが「鶴見駅」周辺のエリアです。JR京浜東北線と京急本線が交差するこのエリアは、毎日多くの通勤客や学生で活気にあふれています。
駅西口には近代的な商業ビルが並び、飲食店、衣料品店、ドラッグストアなどが軒を連ねるショッピングゾーンが展開。駅前再開発によって整備されたペデストリアンデッキは、雨天でも快適に移動でき、都会的な利便性を提供しています。
一方、東口へ出ると、昔ながらの商店街「鶴見銀座商店街」が広がり、老舗の惣菜屋や八百屋が軒を連ねています。アーケードには下町情緒が漂い、地元の人々の暮らしが今も息づいています。

■ 歴史の余韻を残す「潮田エリア」
港町の風情
かつて工業地帯として隆盛を極めた「潮田（うしおだ）」エリアは、今も重厚な歴史の名残を残しています。造船業や機械工業が集積し、昭和の日本を支えた町工場が多く立地していたこの地には、今も多くの中小企業が残っています。
現在では再開発も進み、潮風が心地よく吹くベイエリアの顔も持ち合わせています。特に「潮田公園」は、季節の花々が咲き誇り、地域住民の憩いの場として親しまれています。敷地内には広場や球技場があり、週末にはファミリーや学生の姿でにぎわいます。

■ 異文化が交差する「生麦・獅子ヶ谷」
国際都市の表情
鶴見区は、横浜市内でも特に外国人居住者が多い地域として知られています。特に「生麦」や「獅子ヶ谷」周辺では、ブラジル、ペルー、フィリピンなど、さまざまなルーツを持つ人々が共生して暮らしています。
この多文化共生の姿は、鶴見区ならではの特色です。南米系のスーパーマーケットやレストランが点在し、週末には外国語が飛び交う市場が開かれることも珍しくありません。
また、キリスト教系の教会や南米文化センターもあり、地域の人々に開かれた異文化交流の場として機能しています。まさに鶴見は「小さな多国籍都市」と言えるでしょう。

■ 自然と共に生きる「獅子ヶ谷・東寺尾」
緑のオアシス
都市化が進む中でも、鶴見区には自然と調和した地域が残されています。なかでも「獅子ヶ谷」や「東寺尾」には、起伏ある地形を活かした緑地や寺院、旧家などが点在し、どこか懐かしさを感じさせます。
「獅子ヶ谷市民の森」は、散策路が整備された自然公園で、森林浴や野鳥観察に訪れる人々の姿が見られます。また、梅や桜の名所としても知られており、季節ごとに装いを変える自然の演出は訪れる人々の心を和ませてくれます。
周辺には歴史ある寺社も多く、「東寺尾の曹洞宗・大本山總持寺」は全国的にも有名な禅宗の拠点で、荘厳な建築美と静寂に包まれた空間が、日常とは異なる時間の流れを感じさせてくれます。

■ 「大学・学校」が支えるまち
教育と未来への礎
鶴見区には、知の拠点となる高等教育機関も点在しています。「鶴見大学」は歯学部と文学部を有する私立大学で、地域との連携活動にも積極的に取り組んでいます。
また、小中学校も数多く、外国籍児童の受け入れや日本語教育に力を入れる学校も多くあります。こうした取り組みは、多様な文化的背景を持つ子どもたちにとって安心できる環境を育んでおり、未来への希望を形にしています。

■ 工業と物流の動脈「末広町・弁天町」
都市を動かす力
鶴見区の南部、海沿いに位置する「末広町」や「弁天町」は、工業と物流の要となる地域です。ここには大規模な工場や倉庫、流通センターが広がっており、トラックやコンテナがひっきりなしに行き交う姿が見られます。
この地は単なる産業エリアにとどまらず、雇用創出の場でもあります。物流拠点としての役割は、東京湾岸全体の経済活動を支える重要な位置づけにあり、「働くまち・鶴見区」の一面を象徴しています。
また、近年では「横浜鶴見臨港地区再整備計画」により、産業施設の高度化と環境配慮型のまちづくりが進んでおり、未来を見据えた都市の再構築が始まっています。

●代表的な観光スポット（掲載時）

★鶴見花月園公園
概要： かつて競輪場だった広大な土地が、緑と花に囲まれた癒やしの公園に変身。遊歩道と四季折々の花壇が家族連れに人気。
おすすめ時期： 春（桜とチューリップが美しく調和）
アクセス： 京急「花月園前駅」より徒歩約5分
費用： 無料

★總持寺（そうじじ）
概要： 曹洞宗の大本山として威厳を誇る大寺院。長い回廊や重厚な伽藍が時代を超えて訪れる人を魅了する。
おすすめ時期： 秋（紅葉との調和が絶妙）
アクセス： JR「鶴見駅」西口から徒歩7分
費用： 境内見学無料（特別拝観などは別途）

★鶴見神社
概要： 静かな住宅街に佇む神社。地元の守り神として親しまれ、夏の祭りでは地域が一つに。
おすすめ時期： 夏祭り開催時（7月中旬）
アクセス： 京急「鶴見市場駅」から徒歩10分
費用： 無料

★入船公園
概要： 運河に面した広大な芝生広場と水辺の憩いの空間。バーベキューエリアやテニスコートも完備。
おすすめ時期： 春から初夏（風が心地よい）
アクセス： JR「鶴見駅」東口から徒歩約15分
費用： 公園入園無料（BBQは要予約・有料）

★潮田公園
概要： 野球場やプールもある地域密着型の総合公園。遊具も充実し子ども連れに人気。
おすすめ時期： 初夏（イベント開催が多い）
アクセス： JR「鶴見駅」東口からバスで10分
費用： 入園無料（施設利用は一部有料）

★三ツ池公園（鶴見区側）
概要： 名の通り三つの池を中心に広がる、神奈川を代表する自然公園の一部。桜の名所としても有名。
おすすめ時期： 春（桜まつりは圧巻）
アクセス： JR「鶴見駅」からバス約20分
費用： 無料

★ふれーゆ（横浜市高齢者保養研修施設）
概要： 温泉とプールの複合施設。健康志向の人に人気で、リラクゼーションにも最適。
おすすめ時期： 冬（温泉で温まる季節）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで約15分
費用： 入館料800円程度（プール・浴室利用含む）

★生麦魚河岸通り
概要： 活気あふれる市場通り。新鮮な魚介類や惣菜を購入可能で、下町情緒も感じられる。
おすすめ時期： 土曜日の朝（市場が賑わう）
アクセス： 京急「生麦駅」徒歩約7分
費用： 散策無料（買い物は実費）

★キリンビール横浜工場（工場見学）
概要： ビール造りの工程を間近で見学でき、最後には試飲も楽しめる大人の社会科見学。
おすすめ時期： 通年（屋内型）
アクセス： 京急「生麦駅」より徒歩10分
費用： 見学無料（要予約）

★鶴見川河口干潟
概要： 干潮時に現れる自然干潟。バードウォッチングや環境学習にぴったり。
おすすめ時期： 春と秋（野鳥の渡来シーズン）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで約20分
費用： 無料

★潮見橋
概要： 鶴見川にかかる歴史ある橋。夜景も美しく、川風が心地よい散歩コース。
おすすめ時期： 夕暮れどき（ライトアップが幻想的）
アクセス： JR「鶴見駅」から徒歩約15分
費用： 無料

★豊岡商店街
概要： 昭和レトロな雰囲気漂う商店街。老舗の惣菜店や和菓子屋に懐かしさが残る。
おすすめ時期： 年末年始（買い出しシーズン）
アクセス： JR「鶴見駅」西口より徒歩すぐ
費用： 散策無料（買い物は実費）

★馬場花木園
概要： 四季の草花が咲き乱れる市民のオアシス。散歩や写真撮影にも最適。
おすすめ時期： 4月～5月（藤やツツジが見頃）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで15分
費用： 無料

★鶴見中央図書館
概要： 知識の宝庫として地元に愛される施設。館内イベントも定期的に開催。
おすすめ時期： 雨の日（静かな時間に読書）
アクセス： JR「鶴見駅」から徒歩5分
費用： 無料

★末吉配水池公園
概要： 高台にあり、展望が美しい。早朝のランニングや夕方の散歩におすすめ。
おすすめ時期： 秋（空気が澄み渡る）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで15分
費用： 無料

★白幡公園
概要： 芝生広場や遊具が整い、親子連れにぴったり。
おすすめ時期： 4月～6月（過ごしやすい気候）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで10分
費用： 無料

★コープかながわ ふれあい農園
概要： 自然に触れながら野菜の収穫体験ができる農園。親子で楽しめる。
おすすめ時期： 夏～初秋（収穫の最盛期）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで25分
費用： 体験は500円～（野菜付き）

★横浜市電保存館
概要： 昭和の路面電車を再現した博物館。乗車体験もあり、鉄道ファン必見。
おすすめ時期： 通年
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで15分
費用： 入館料300円（子ども100円）

★市場中公園
概要： 遊具と広場が揃った近隣型の公園。春には桜も楽しめる。
おすすめ時期： 春（お花見にぴったり）
アクセス： 京急「鶴見市場駅」から徒歩7分
費用： 無料

★旧東海道鶴見宿跡
概要： 歴史的な街道の一角。かつての宿場町の雰囲気が所々に残る。
おすすめ時期： 晩秋（散策に適した気温）
アクセス： JR「鶴見駅」周辺
費用： 散策無料

★鶴見歴史博物館（仮想施設：地域文化の紹介施設）
概要： 鶴見区の歴史と文化を写真や模型でひもとく知的スポット。郷土資料や地元の民話を知ることができる展示が魅力。
おすすめ時期： 雨の日や夏休み（屋内での学習に最適）
アクセス： JR「鶴見駅」西口から徒歩約12分
費用： 大人300円／子ども100円（展示内容によって異なる場合あり）

★花月園前の旧駅跡地広場
概要： 花月園競輪場の名残を感じさせるレトロな空間。今は芝生広場として整備され、地元の子どもたちの遊び場になっている。
おすすめ時期： 春から秋の晴れた日（ピクニックにも最適）
アクセス： 京急「花月園前駅」から徒歩すぐ
費用： 無料

★京浜工業地帯夜景ウォーク（末広地区周辺）
概要： 昼とはまったく異なる、幻想的な工場の灯りが一面に広がる。写真愛好家の間でも「工場萌え」の聖地として密かな人気。
おすすめ時期： 冬の晴れた夜（空気が澄んで明かりが鮮明）
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで約25分
費用： 無料（撮影機材があるとより楽しい）

★鶴見川河川敷ジョギングロード
概要： 川沿いに整備された美しいジョギング・サイクリングコース。夕暮れ時の風景は日常を忘れさせる癒し。
おすすめ時期： 春・秋（気温が穏やかで快適）
アクセス： JR「鶴見駅」から徒歩圏内で複数箇所へアクセス可
費用： 無料

★栄町公園の梅林
概要： 地元では知られた早春の隠れた名所。梅の香りが辺りに漂い、静かな気分にさせてくれる。
おすすめ時期： 2月～3月（梅の開花時期）
アクセス： 京急「鶴見市場駅」より徒歩8分
費用： 無料

★潮田教会（日本キリスト教団鶴見教会）
概要： 赤レンガと尖塔が美しい、地域に根ざした歴史ある教会。クリスマス時期にはライトアップも。
おすすめ時期： 冬（クリスマス礼拝・イルミネーション）
アクセス： JR「鶴見駅」から徒歩約15分
費用： 見学無料（礼拝参加も自由）

★潮鶴橋から望むベイブリッジの遠景
概要： 潮鶴橋の歩道から見えるベイブリッジと東京湾の眺めは、昼も夜もフォトジェニックな絶景。
おすすめ時期： 晴れた日や夜景が映える夜
アクセス： JR「鶴見駅」からバスで約10分
費用： 無料

★鶴見区民文化センター「サルビアホール」
概要： コンサートや落語、展示会などが定期的に開催される文化交流の拠点。地域芸術の発信地でもある。
おすすめ時期： イベント開催時（公式サイトで確認可能）
アクセス： JR「鶴見駅」東口から徒歩2分
費用： イベントにより異なる（無料～2,000円程度）

★安養寺（生麦）
概要： 静けさの中に佇む由緒あるお寺。生麦事件の供養塔など歴史の断片も残るスポット。
おすすめ時期： 初夏（境内の緑が美しい）
アクセス： 京急「生麦駅」より徒歩6分
費用： 無料

★鶴見の街なかアート（ウォールアート＆モザイク作品群）
概要： 駅前や商店街の壁に描かれたカラフルなアート作品。何気ない通りがアートギャラリーに早変わり。
おすすめ時期： 晴れた日（明るい日差しに映える）
アクセス： JR「鶴見駅」～京急「鶴見市場駅」間の街なか
費用： 無料

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●主な交通手段（掲載時）

■ 鉄道でめぐる鶴見の街並み
鶴見区の観光拠点の中心は、なんといってもJR鶴見駅。この駅を基点に、周辺を電車で巡るのが便利です。特に、鶴見線と京浜東北線の２路線が交差しており、どちらも使い勝手抜群。
JR鶴見線：工場地帯の異世界トリップ
鶴見線は、工業地帯と歴史的エリアを結ぶローカル線。国道駅、鶴見小野、弁天橋、浅野、安善、武蔵白石などの駅を経由しながら、海沿いを縫うように走ります。特に国道駅は戦前の雰囲気を色濃く残し、観光客の間では“昭和が止まった駅”として密かな人気。終点の海芝浦駅は、ホームの目の前が海！降りた瞬間から絶景が広がり、まるで旅のご褒美です。
京浜東北線：南北の大動脈
鶴見駅から横浜や川崎方面にアクセスするのが、この京浜東北線。観光地として有名なみなとみらいや**中華街（石川町駅）**に直結しており、鶴見を拠点に観光エリアを効率よく広げられます。駅前も整備されており、レトロな商店街や近代的なカフェが立ち並び、鉄道旅の合間に楽しめるスポットが満載です。

■ 地元民の足「バス」で細かくまわる
鉄道が届かないエリアをカバーするのが、バス路線の魅力。鶴見区には横浜市営バスと川崎鶴見臨港バスという２つの主力バス会社が走っています。
横浜市営バス：観光地と住宅地をつなぐ
横浜市営バスは、JR鶴見駅から総持寺や鶴見神社といった観光名所にアクセスできるほか、住宅地や坂の多い丘陵地へも網の目のように路線が走っています。運賃は大人220円（ICなら216円）で均一。バス停の間隔も狭いため、ちょっとした散策にもぴったり。
川崎鶴見臨港バス：港町の空気に触れる旅
こちらは鶴見区の海側、特に大黒ふ頭や鶴見つばさ橋方面など工業地帯・湾岸部へ向かうのに重宝されるバス。路線バスの中では異色の存在で、走行する道は広大な倉庫街や巨大クレーンの立ち並ぶ非日常空間。まるで映画のセットの中を走っているような感覚が味わえます。

■ 気軽に動ける「レンタサイクル」で街角散策
歩きでは遠く、車では早すぎる…。そんな時にぴったりなのが、鶴見区でも普及しているレンタサイクルサービス。
横浜コミュニティサイクル「baybike」
横浜市全域で展開されている「baybike」は、鶴見区でもいくつかのポートが用意されており、スマホひとつで簡単に利用登録が可能。ポートはJR鶴見駅西口や鶴見中央エリアに点在し、30分165円から利用できます。海沿いや寺町エリアをゆっくり巡るのに最適です。
おすすめルート：鶴見川沿いでのんびり
鶴見川の河川敷はサイクリングロードが整備されており、桜並木やのどかな風景が続くため、観光にはうってつけ。途中には地元のカフェや和菓子店も点在し、休憩スポットとしても魅力的。

■ 自由な旅を実現する「レンタカー」
少し離れた場所や複数人での移動には、レンタカーがとても便利。鶴見駅周辺には大手レンタカー会社の営業所が複数あります。
鶴見駅周辺のレンタカー拠点
・トヨタレンタカー（鶴見駅東口から徒歩3分）
・ニッポンレンタカー（京急鶴見駅近く）
・オリックスレンタカー（鶴見中央エリア）
1時間単位で借りられる「ちょい乗り」プランから、24時間プランまで豊富にあり、観光スケジュールに合わせて選びやすいのが特徴。
駐車場事情も良好
区内の観光スポット周辺には、コインパーキングも充実。総持寺・鶴見神社周辺、大黒ふ頭近くの商業施設では無料駐車スペースがある場所も。

■ 足元にやさしい「徒歩＋ミニバス」の組み合わせ
鶴見区は歩きながら味わえる街でもあります。たとえば鶴見市場や仲通り商店街、旧東海道などは、歩くからこそ見えてくる表情がたくさん。途中で足が疲れたら、ちょこっとだけバスを使うのも一つの技です。
地元感を味わう下町歩き
・潮田エリア：昭和の香り漂う商店街と下町グルメ
・生麦魚河岸通り：昔ながらの魚屋が並ぶ活気あふれる通り
徒歩圏の観光でも、バスやタクシーを「点と点」で使うことで、効率的に街を楽しめます。

■ 地域密着型の「観光タクシー」活用法
観光中に意外と役立つのが、地域に詳しいドライバーによる「観光タクシー」。駅前タクシー乗り場から利用でき、希望に応じて観光地をめぐることができます。
地元タクシーのおすすめ
・鶴見交通株式会社（観光案内も可能）
・臨港タクシー（空港連携もあり）
車内でちょっとした地元話が聞けるのも楽しみの一つ。事前予約をすれば、希望の時間やルートで観光に付き合ってもらえるプランも。

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●代表的な名物・名産品・特産品（掲載時）

★菊もなか
香り高い菊型最中
円形の菊の花びらをかたどった最中に、北海道産大納言小豆をたっぷり詰め込んだ和菓子。ゆず皮風味の白あんタイプもあり、手土産に最適です。
・必要な費用：1個 約175円程度

★よねまんじゅう
江戸時代から復活した名菓
しっとりとした羽二重餅皮で、こし・白・梅の3種の餡を包んだ小ぶりな一口饅頭。東海道鶴見の旅人にも歌に詠まれた銘菓です。
・必要な費用：約85～90円／個

★こそだて饅頭
子育て観音縁の銘菓
東福寺前で親しまれる、子育て観音にちなんだ饅頭。ふんわりした皮にこしあんが包まれ、江戸後期の芝居にも登場します。
・必要な費用：約130円／個

★つるみ最中（清月）
昭和初期の製法を継承
黄金餅のみで作ったパリッとした皮に、丁寧に練り上げた小倉あんを詰めた伝統の最中。出来たてを提供し続ける名品です。
・必要な費用：160～170円／個

★紫雲（生落雁）
總持寺参拝の思い出に
柔らかな落雁に和三盆と餡を包み、五七桐の紋が刻印された美しい上生菓子。抹茶にもコーヒーにもよく合います。
・必要な費用：4個入 約450円、8個入 約800円

★おはぎ
懐かしの大ぶりおはぎ
大窯で一度に炊き上げたつぶあんを包んだ大ぶりの一品。ほんのり甘い粒あんが口いっぱいに広がります。
・必要な費用：1個 約150円／5個入りパック 約750円

★鶴見めぐり（パイ饅頭）
観光地パッケージ付きパイ饅頭
バター香るサクサクのパイ生地に、北海道産小豆あん。パッケージには鶴見の名所が描かれ、旅の土産にぴったり。
・必要な費用：約170円／個

★貝もなか（生麦の里）
蛤型が可愛い最中
生麦に因み、蛤（ハマグリ）型に焼き上げた最中。北陸産もち米の香ばしい皮と小豆餡の組み合わせが絶妙です。
・必要な費用：約140円／個

★岸谷もなか
地元岸谷への感謝と願い
岸谷の発展を祈願して作られた最中。北海道産小豆・白いんげん豆を使用し、香ばしい皮に挟んだ上品な味わい。
・必要な費用：約140円／個

★横浜パイブリッジ
洋風最中パイ3種セット
開通記念のベイブリッジにちなみ、つぶ小豆・かぼちゃ・栗の3種をパイで包んだ創作和洋菓子。様々な味が楽しめます。
・必要な費用：約165円／個

★鶴見寺尾城主最中
城名を冠した最中
寺尾城主にちなむ最中。皮と餡を別包装して自分で詰めるスタイルで、つやのある皮が楽しめる工夫が光ります。
・必要な費用：8個入り箱で約1,728円

★つる見宝珠
紅茶香る黒豆菓子
紅茶の香りを纏ったスポンジに、丹波の黒豆入りのソフトケーキ。素材にこだわる上質な贅沢感が味わえます。
・必要な費用：約160円／個

★お菓子とうふ
豆乳カステラ風和菓子
豆乳ベースのしっとりふんわり生地に、胡麻や梅のあんがサンドされた、体にやさしい洋風和菓子。
・必要な費用：約160円／個

★源平五色の椿
椿の古木にちなむ贅沢銘菓
五色椿をモチーフにした求肥包み。擦り胡麻と練り胡麻の餡を包み、高級感あふれる上品な最中風和菓子です。
・必要な費用：約160円／個

★梅大福／栗大福
甘酸っぱさとほっくり感の共演
もちもちの白玉皮に、梅甘露と白あんを包んだ梅大福、また栗と粒あんを包んだ栗大福。どちらも150円前後。
・必要な費用：各1個 約150円

★鶴見もなか
鶴デザインのつぶあん最中
鶴見にちなんだ鶴の形の最中皮に、粒あんたっぷり。つぶあん派にはたまらない濃厚な味。
・必要な費用：約140円／個

★ワッくんレーズンサンド
マスコット焼印のレーズンサンド
区マスコット“ワッくん”を刻印したサブレにクリームとレーズン。見た目も可愛く食べやすい洋菓子。
・必要な費用：約220円／個

★珈琲あんぱん
コーヒー香るこしあんパン
エスプレッソ風味のこしあんと生クリームを包んだ銀座でも受賞したあんぱん。小ぶりながら中身ずっしり。
・必要な費用：約200円／個

★鶴見あげパン
クリームを挟んだ揚げパン
食パンにカスタードを塗り、揚げた一口サイズの揚げパン。地域のイベントで行列必至の人気商品です。
・必要な費用：約100円／個

★サーターアンダギー
沖縄伝来・鶴見名物の揚菓子
プレーンと黒糖の2種。外はカリッと中はふんわり、ほどよい甘さの沖縄風ドーナツ。
・必要な費用：プレーン 約80円／黒糖 約90円

★あさりシュウマイ
海の旨味詰まったシュウマイ
豚肉とあさりを練り込んだ、化学調味料不使用のジューシーなシュウマイ。さっぱり後味で人気です。
・必要な費用：1個 約100円

★三ツ池餃子
地元中華店の看板餃子
キャベツ・長ねぎ・豚ひき肉を合わせた具材を、しっかりした食感の餃子に仕上げた一品。21個入りのお得パックも。
・必要な費用：21個入 約1,000円

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●人気のお土産（掲載時）

★よねまんじゅう（御菓子司 清月）
江戸時代の名物饅頭を復刻した小ぶりな和菓子。白・こし・梅の三種が楽しめ、もっちり餡の上品な甘みが魅力。
必要な費用：大体90円／個

★つるみ最中（御菓子司 清月／東寺尾 清月）
黄金餅を使った皮にしっかり餡を詰めた最中。小倉・抹茶など複数種類あり、焼印がアクセント。
必要な費用：1個約160～180円

★サーターアンダギー（おきなわ物産センター）
沖縄風ドーナツを鶴見で楽しめる。外はサクッ、中はふんわり。白砂糖と黒糖の2種。
必要な費用：プレーン80円・黒糖90円／個

★小枝チョコレート（森永製菓 鶴見工場）
1971年誕生、鶴見工場で製造された定番ミルクチョコ。季節限定のフレーバーもあり。
必要な費用：スーパー価格で約150～200円／箱

★ダースチョコレート（森永製菓 鶴見工場）
口どけにこだわり、鶴見で誕生。滑らかな食感と均一な大きさが魅力。
必要な費用：スーパーで200～300円程度

★亀の甲せんべい（あさひや）
鉄型と手焼きの両方が楽しめる瓦せんべい。醤油風味の草加スタイルで多彩な味。
必要な費用：1枚80円～

★珈琲アンパン（エスプラン）
こし餡にコーヒーとリキュール風味の生地、クリーム入りの小ぶりパン。
必要な費用：1個204円（税抜）

★生ずんだあんぱん（エスプラン）
ずんだ餡＋お餅＋生クリームの和洋折衷。冷やしても美味。
必要な費用：1個213円（税抜）
kanagawa-kankou.or.jp

★ビスコッティ（御菓子司 清月）
ナッツたっぷりで食べ応えのある20cmサイズ焼き菓子。コーヒーとの相性◎。
必要な費用：約300～400円／本（推定）

★ルナ・ピエーナ（御菓子司 清月）
阿波和三盆＆リモンチェッロ使用の落雁。半球2つ合わせた満月型で高級感。
必要な費用：1個300円前後（推定）

★ひびき橋ケーキ（東寺尾 清月）
渋皮栗とチョコをしっとりケーキに。直径12cmの小ホールタイプ。
必要な費用：1ホール約1600円

★大福シリーズ（東寺尾 清月）
コーヒー・抹茶など風味豊かな餡に純生クリーム入り。
必要な費用：1個約180円

★横濱ハーバーダブルマロン（ありあけ／CIAL鶴見）
栗クリームをサンドしたクッキー。ミニサイズ箱入りで高級感あり。
必要な費用：8～10個入りで1000～1500円

★横濱ミルフィユ 紅茶（横濱フランセ／CIAL鶴見）
サクサクパイに紅茶クリーム。可愛い横浜パッケージで手土産向き。
必要な費用：～1000円程度

★大学芋リング（ココフラン／CIAL鶴見）
カリッと大学芋リング。もちもちとした食感が楽しい。
必要な費用：～1000円（1袋程度）

★ゴーフレット（東京風月堂／CIAL鶴見）
クリームを挟んだ薄焼きパイ。チョコ・ストロベリー・バニラなど多彩な味。
必要な費用：1000円以内

★桜三笠山・カステラ（文明堂／CIAL鶴見）
ふんわり甘い定番和洋菓子。桜風味の三笠山も人気。
必要な費用：～1000円

★ステラおばさんのクッキー（CIAL鶴見）
ほっこり味の定番焼き菓子。季節限定の詰め合わせもあり。
必要な費用：～1000円

★コーヒーサーティワンアイス（LICOPA鶴見店）
スモールダブルコーン440円。バニラとブルーチョコチップの組み合わせ。
必要な費用：約440円

★成城石井セレクト品
CIALの成城石井には高品質洋菓子・チョコ・焼き菓子が並ぶ。大袋タイプも多数。
必要な費用：数百円～1500円程度

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●代表的な食文化・ご当地グルメ（掲載時）

■ 鶴見の異文化シェフ・タウン
沖縄×南米「仲通り商店街」のグルメ風景
鶴見区には、戦前・戦後を通じて移住してきた沖縄県出身者や南米出身者が多く暮らし、今では「沖縄南米タウン」と呼ばれる独自の食文化が根付いています。「京急鶴見」の駅から徒歩15分ほどの仲通り商店街には、沖縄料理店やブラジル・ボリビア料理など多国籍な飲食店が軒を連ねています。
この一帯では、現地の味を大切にしたソーキそばやタコライス、南米の肉料理やスイーツが楽しめ、毎年開催される「仲通りマルシェ」では飲食ブースが多数出店。異国情緒とローカル文化が混ざり合う場所として知られています。

■ 横浜が生んだ「サンマーメン」
鶴見にも根付く代表ラーメン
鶴見区でも愛されている横浜ご当地ラーメンといえば「サンマーメン」。野菜あんかけが醤油味の中華麺にたっぷり乗るスタイルで、地域の中華屋などを中心に提供されており、地元のB級グルメとしても人気です。
また、横浜家系ラーメンも区内で広く普及しており、鶴見駅周辺を中心に複数の店が軒を連ね、地元民の胃袋をガッツリ支えています。

■ 地元ラーメン＆油そばの世界
個性あふれる麺食文化
鶴見のラーメン文化は続き、特に注目されるのが“油そば”。豊岡町にある「横浜麺屋とりのゆ」は、再開して話題のクセになる一杯として注目を集めています。また、中華麺系中華料理店では、サンマーメンの他、あんかけ焼きそば、餡かけ系の多様なバリエーションを楽しめる店も登場し、麺文化が多彩に息づいています。

■ ソバ文化の継承
「そば処 結城」に代表される手打ち二八そば
鶴見駅西口・豊岡通り商店街には、石臼挽きの二八そば専門「そば処 結城」があり、噛めば噛むほど広がる香りと深い味わいで評判です。本格そばと軽いおつまみを提供し、地元で人気の昼酒スポットとしても知られています。

■ 老舗の和と酒文化
海鮮と居酒屋料理
鶴見駅東口すぐにある「魚春とと屋」は、大正9年創業の鮮魚店直営。旬の魚介を使った和食や会席料理をお手頃価格で提供し、地元の宴会・接待に重宝されています。
また、居酒屋「田中屋」は伝統の鴨せいろそばや揚げそばサラダ、ざるピザなど独創的なメニューでファンを魅了し、酒とそば、肴を楽しむスタイルの居酒屋文化が受け継がれています。

■ 中華の本格派
餃子・飲茶・チャーハンの魅力
中華系グルメも鶴見の食文化に欠かせません。福盈門別館では、手作り餃子や飲茶点心の90分食べ放題コースが人気で、鶴見駅近くのビル内で中華三昧がたのしめます。
また、「満洲園」「北海道ラーメン赤レンガ」「桃林」など、駅周辺に本格中華店が連なり、中華麺や炒め物をじっくり味わえる環境が充実しています。

■ 異国パン文化
多国籍食堂の自家製パンとスイーツ
JR鶴見線生麦エリアには、香港籍のシェフによる手作りパンと家庭料理を提供する「マギーズ・キッチン」があり、ランチ・ディナーのテイクアウト需要も高いです。毎日焼きあがるパンや香港風菓子は売り切れ必至で、地域のベーカーカルチャーを支えています。

■ 鶴見みやげ
和菓子に宿る地元の伝統
「つるみみやげ」として展開される品々には、地元和菓子店の力作＝こそだて饅頭、菊最中、鶴見寺尾城主最中などがあり、その多くが鶴見区民に古くから愛されています。街のお祭りや手土産として親しまれる、地域の食文化と職人技の象徴です。

■ フェスやマルシェで楽しむ鶴見グルメ体験
毎年開催される「つるみワールドフェスティバル」や「仲通りマルシェ」では、鶴見区の多文化共生を反映した多彩な飲食ブースが一堂に集まります。沖縄、南米、日本、アジアといった多様な料理を味わえるイベントで、地域の食の魅力を体験できます。
また、鶴見愛フェスティバルでは、沖縄さーたーあんだぎーなどの揚げパンやタコス棒、タピオカなどスイーツ屋台も並び、家族連れで賑わう様子が伝わってきます。

■ 洋食・カフェ・バル
アルコールやコーヒーと共に
鶴見には、イタリアンバル、ステーキ、ハンバーガーなど西洋風の洋食文化も広がっています。中でも淡路島バーガー（ハンバーガー専門店）は、淡路島産玉ねぎ入りのフレッシュなパティとソースが人気を集めています。
また、ビアポート（キリンビール横浜工場併設）では、地ビールと料理のマリアージュを楽しめ、洋食ベースの交流が活発です。

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●代表的な祭・イベント（掲載時）

★チャリティーほおずき市（鶴見神社）
概要：「ほおずき」を楽しみながら、地域支援を目的としたチャリティ市。そばや焼き鳥など模擬店も並び、にぎやか。
おすすめ時期：7月中旬（例年12日開催）
アクセス：JR・京急「鶴見駅」から徒歩約3–5分
費用：ほおずき鉢 2,000円、模擬店は別途有料

★サンパチェンス音楽祭（入船公園）
概要：花壇に咲くサンパチェンスが彩るステージで、地元の人々による温かな音楽演奏が楽しめる。
おすすめ時期：7月中旬の週末
アクセス：JR「鶴見」駅よりバスまたは徒歩15分
費用：入場無料、飲食・物販は実費

★大本山總持寺「み霊祭り」盆踊り
概要：總持寺境内での恒例盆踊り大会。暑気払いに最適な夏の風景。
おすすめ時期：7月中旬の3日間（例年18～20日）
アクセス：京急線「生麦駅」下車徒歩10分
費用：無料（盆踊り参加可、模擬店は有料）

★沖縄角力大会（入船公園）
概要：沖縄伝統の角力（すもう）イベント。投げ技が迫力満点で、一般参加も可。
おすすめ時期：7月初旬
アクセス：JR「鶴見」駅よりバスで「入船公園」下車
費用：観覧無料、参加には事前申込が必要

★潮田神社例大祭
概要：神輿70基、露天販売370店が練り歩く、区内最大級の夏祭り。
おすすめ時期：6月上旬（例年6～8日）
アクセス：JR「鶴見」駅から徒歩10分
費用：無料（屋台・飲食は有料）

★鶴見神社天王祭
概要：古式豊かな大神輿が地域を巡行する、夏の風物詩祭り。
おすすめ時期：7月第4週の金・土・日あたり
アクセス：JR・京急「鶴見駅」徒歩3–4分
費用：無料（模擬店・飲食は実費）

★鶴見の田祭り（杉山祭）
概要：再興された伝統芸能「田遊び」を奉納する春の祭典。模擬店・餅まき・お神酒あり。
おすすめ時期：4月29日（昭和の日）
アクセス：JR「鶴見駅」から徒歩3分
費用：無料（一部有料体験あり）

★城熱祭（戦国テーマイベント）
概要：戦国時代の城に関するトークショーやボードゲーム、アート展、ワークショップなど。
おすすめ時期：2月中旬～下旬（例年21～24日）
アクセス：京急「鶴見市場駅」近くのサルビアホール
費用：入場チケット有料（要購入）

★つるみ祭りdeフェスティバル（三ツ池公園）
概要：地域の祭りや活動団体が一堂に会し、ステージや飲食、体験ブースが楽しめる祭典。
おすすめ時期：9月中旬（例年14日）
アクセス：JR「鶴見駅」からバスまたは徒歩約20分
費用：入場無料、飲食物は有料

★鶴見区民文化祭
概要：地元の文化団体が舞台や展示、ワークショップで成果を披露する地域文化イベント。
おすすめ時期：秋開催
アクセス：鶴見区民文化センター周辺
費用：無料または一部実費

★つるみ臨海フェスティバル
概要：海辺の公園で音楽やマルシェ、体験活動が楽しめる地域フェス。
おすすめ時期：夏～秋（年による）
アクセス：三ツ池公園または臨海公園付近
費用：無料～有料ブース有

★京急×鶴見スタンプラリー
概要：京急沿線と鶴見を巡る街歩きラリー。スタンプを集めて特典ゲット。
おすすめ時期：秋（不定期開催）
アクセス：京急各駅および鶴見エリア
費用：参加費 無料、記念品代実費

★七夕夜市（レアールつくの商店街）
概要：短冊の掲示や商店街模擬店、和太鼓演奏など多彩な催し。浴衣歓迎。
おすすめ時期：7月7日前後、夜間開催（19時～）
アクセス：JR鶴見駅西口徒歩5分
費用：無料入場、飲食は実費

★馬場花木園 早朝ハス観賞会
概要：蓮の花が静かに咲き誇る早朝の観賞会。園内散策に最適。
おすすめ時期：7月上旬～中旬の日曜、朝6時から開門
アクセス：JR「鶴見駅」からバス、「馬場花木園前」下車
費用：入園無料（交通費のみ）

★水無月の大祓（夏越大祓）
概要：茅の輪潜りや無病息災を祈る神事。和菓子「水無月」が振る舞われることも。
おすすめ時期：6月30日前後
アクセス：主に潮田神社で開催、徒歩圏内
費用：参列無料、和菓子は有料

★生麦「蛇も蚊も」祭り
概要：無形民俗文化財に指定された奇祭。雨乞い・虫送りの伝統行事。
おすすめ時期：6月1日（例年）
アクセス：京急「生麦駅」徒歩圏内
費用：無料

★鶴見ウチナー祭
概要：沖縄文化の祭典。エイサー、三線、沖縄グルメ、ステージ演舞多数。
おすすめ時期：11月初旬（例年1・2日）
アクセス：JR「鶴見駅」からバス／徒歩で入船公園へ約15分
費用：入場無料、屋台・ワークショップは別途実費

★鶴見川花火大会
概要：河川敷で打ち上げ花火を満喫する夏の風物詩。夜店も並ぶ。
おすすめ時期：8月中旬
アクセス：JR「鶴見駅」から徒歩または臨時バス
費用：観覧無料、有料席あり（事前予約制）

★横浜フランス月間関連イベント
概要：フランス文化を紹介する展示・催し等の一環で、鶴見でも企画多数。
おすすめ時期：6月中旬～7月下旬
アクセス：鶴見駅周辺施設などで分散開催
費用：無料～有料（内容により異なる）

★鶴見区商店街スタンプラリー
概要：参加商店を巡りスタンプを集める企画。完走者に景品あり。
おすすめ時期：年1～2回（春・秋）
アクセス：鶴見駅周辺の商店街
費用：無料（商品購入は実費）

★三ツ池公園文化・環境フェスティバル
概要：自然・環境に親しむ体験型フェス。ワークショップも充実。
おすすめ時期：春または秋（年による）
アクセス：JR「鶴見駅」からバスで公園入口へ
費用：参加無料、物販あり

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●特性（掲載時）

■ 海と歴史が育んだ工都の個性
横浜市の東端に位置する鶴見区は、東京湾に面しており、古くから海運と工業の発展が支えてきた地域です。特に京浜工業地帯の中核を担ってきた歴史が色濃く、今も大企業の工場や物流拠点が並ぶ姿は、「ものづくり都市・鶴見」の名にふさわしい光景です。
鶴見臨港鉄道の跡を引き継ぐ鶴見線沿線には、戦前から続く町工場や職人文化も息づいており、地域全体に実直で堅実な気質が浸透しています。このような「働く街」としての側面は、時代が変わってもなお、区の根底に流れるアイデンティティとなっています。

■ 濃厚な国際色：日常にとけ込む異文化
鶴見区の最大の特色は、「異文化との共生」が自然に根付いている点にあります。とりわけ南米系住民、特にブラジル出身者の比率が高く、鶴見中央や本町通にはポルトガル語表記の看板や、ブラジル料理店が軒を連ねています。
また、沖縄からの移住者も多く、「ミンサー柄」の小物を扱う店や沖縄そばの専門店が、京急鶴見駅周辺などで見られます。加えて、韓国・中国・フィリピン・ベトナム・インドなど多様な国籍の住民が暮らし、まさに「日本の小さな多民族都市」といった顔を持っています。
このような背景から、鶴見区では国際イベントや多文化共生をテーマにしたワークショップ、各国料理フェスなども盛んに開催されており、単なる多国籍な住民構成にとどまらず、「地域の資源」として活かす動きが根付いています。

■ 下町のあたたかさと都会の利便性の融合
鶴見区のもう一つの魅力は、「人情味あふれる下町の空気」が、首都圏の都市的な利便性と共存している点です。駅前には高層マンションや再開発による大型商業施設が並ぶ一方で、ひとたび裏道に入れば昭和の香り漂う商店街が広がり、顔なじみの商人が店先で世間話を交わしています。
特に「鶴見銀座商店街」や「潮田銀座通り商店街」などは、地域住民の暮らしに密着した存在であり、週末には地元野菜の直売や手づくり惣菜の販売がにぎやかに行われ、親しみやすさを感じさせます。

■ 方言と話し方に見る「鶴見らしさ」
神奈川県は東京に近いため、いわゆる「首都圏共通語」に近い言葉が話されていますが、鶴見区にはその中に独自のニュアンスが見られます。
たとえば、年配の住民の一部では「～じゃん」「～べえ」といった横浜弁の名残があり、語尾に柔らかさと親しみを帯びた響きが残ります。「いっぺえ（＝たくさん）」「あそこの角っこ（＝角）」なども日常会話に混じり、世代を越えて継承されることもあります。
さらに、多国籍住民との接点が多いため、若年層の間では「ブラジル系日本語」や「フィリピン風イントネーション」など、ユニークな語感が交じる会話もあり、鶴見特有の言語環境が生まれています。

■ 周辺地域との“横のつながり”の深さ
鶴見区は東京湾に面し、川崎市川崎区と隣接しています。京浜工業地帯の一部として歴史的なつながりが深く、鶴見と川崎は「経済・労働圏」としてほぼ一体化しているといっても過言ではありません。実際に、川崎で働き鶴見に住む、あるいはその逆のパターンも多く見られます。
また、東横線や南武線で接続する港北区や神奈川区とも住民の往来が盛んで、ショッピングや医療機関の利用などで相互依存しています。特に港北区との間には交通の利便性も高く、学校間の連携や文化活動の協力も見られるなど、行政区を超えたつながりが存在しています。

■ 祭りと風習に見る地域の結束力
地域住民の団結力を示す象徴として、鶴見区では各町会単位での夏祭りや盆踊りが大切にされています。特に「潮田神社例大祭」や「鶴見川花火大会」などは、地域住民が一致団結して運営し、子どもからお年寄りまでが一体となって楽しむ光景が広がります。
また、沖縄からの移住者が多い背景を活かし、「エイサー演舞」が取り入れられたり、南米系住民による「サンバパレード」がイベントに組み込まれたりと、従来の日本文化と海外文化が交じり合うスタイルも注目されています。

■ 教育と共生を支える土壌
多国籍の子どもたちが共に学ぶ場として、鶴見区内には外国人児童に対応した教育支援教室や、通訳サポートを備えた学校が整備されています。鶴見大学や鶴見工業高校をはじめとした教育機関は、地域と連携しながら多文化理解の促進に力を入れており、「文化の違いを知る」ことが教育の一部として浸透しています。
また、外国籍の保護者向けに翻訳された広報や生活支援ガイドの配布も充実しており、行政の柔軟な取り組みも鶴見の強みといえるでしょう。

■ 鶴見という地名に宿る精神性
「鶴見」という地名は、古くは「鶴が舞うような平和な土地」として伝わったという説もあり、その名が表すように、鶴見区には“誰もが羽を休める場所”という寛容さと包容力が根付いています。
工業都市としての勤勉さ、多文化の受け入れに対する柔軟性、そして地元を守ろうとする住民の誇りが融合した土地――それが鶴見区という地域の核であり、今も未来も変わらぬ“港町の魂”なのです。

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●過去に人気だった店（掲載時）

■ 昭和の香りが残る伝説の喫茶店「カフェ・モナリザ」
かつて鶴見駅東口近くにひっそりと佇んでいた「カフェ・モナリザ」。ステンドグラスの照明と木製のアンティーク調の椅子が並ぶ店内は、昭和40年代の雰囲気をそのまま残していた。サイフォン式のコーヒーと、分厚く切ったトーストのモーニングが名物。とりわけ「バターたっぷりシナモントースト」は常連客の間で根強い人気を誇り、「モナリザの朝ごはん」として親しまれていた。惜しまれつつ平成後期に閉店。

■ 老舗の惣菜屋「みやこ屋総本店」の人情味
鶴見市場駅から徒歩3分、商店街の角にあった「みやこ屋総本店」は、家庭の味を大切にした総菜屋。コロッケや煮物、きんぴらごぼう、豆ごはんなど、おふくろの味を求めて朝から行列ができることも。とくに“焼き鯖弁当”は、炊きたてごはんと脂ののった鯖の絶妙な組み合わせで、昼どきには売り切れ必至だった。平成30年頃、店主夫妻の高齢化により閉店したが、今も地元のSNSなどで語り草となっている。

■ 地域密着型百貨「鶴見ニューワールド」
高度成長期の1960年代、京急鶴見駅前に開業した「鶴見ニューワールド」は、かつての鶴見のランドマーク的存在。地下の食品売場から最上階のおもちゃフロアまで、地域の生活を支える一大百貨店だった。屋上のミニ遊園地や観覧車も、子どもたちの夢の場所。1990年代に大型商業施設の進出で売上が減少し、平成初頭に閉館したが、「屋上で買った風船を忘れられない」と語る人は今も多い。

■ 海辺のカルチャースポット「鶴見シネマ倶楽部」
潮風が心地よく吹き抜ける鶴見海側のエリアに、1980年代から営業していた小規模映画館「鶴見シネマ倶楽部」。邦画・洋画問わず、名画を中心に上映するいわゆる“名画座”スタイルで、リピーターも多かった。ビルの2階に位置し、30席ほどの小空間には、座布団とひざ掛けが用意されており、家庭的な空気が漂っていた。2000年代にデジタル化の波に乗り切れず閉館するも、「ここで人生初の映画を観た」という思い出が語り継がれている。

■ 夜明けの胃袋を支えた名店「らーめん太陽」
生麦との境界付近、国道15号線沿いにあった深夜営業ラーメン店「らーめん太陽」は、工場帰りの労働者やタクシー運転手にとってのオアシスだった。濃厚な豚骨醤油スープに自家製ストレート麺、分厚いチャーシューがのった「特製太陽ラーメン」は、夜中2時でも店内に活気が溢れていた。令和初期に建物老朽化のため閉店したが、「深夜の一杯」の記憶は今も語られる。

■ 異国の風香る「ポルトガル市場」
鶴見区には多国籍な文化が根付いており、その象徴のひとつがポルトガル系の食材店「ポルトガル市場」だった。1970年代に開業し、チョリソやバカリャウ（干し鱈）、マデイラワインなど、日本では珍しいポルトガル食材を取り扱い、在住外国人はもちろん、料理好きの日本人にも人気を博した。近年の輸入規制やオーナーの帰国により閉店したが、今なお鶴見の国際性を語るときに必ず登場する店のひとつである。

■ 伝説のレコード屋「サウンド・バード」
JR鶴見駅西口近くの雑居ビル2階にあった「サウンド・バード」は、昭和〜平成にかけて音楽マニアに愛されたレコードショップ。ロック、ジャズ、演歌まで幅広いジャンルを扱い、週末には中古盤を求める人々で溢れていた。手書きのおすすめコメントや、店主の“音楽語り”が好評で、CD全盛期以降も根強い人気を保ったが、令和に入り静かに幕を閉じた。

■ 子どもたちの夢の空間「ピッコロプレイパーク」
1990年代に矢向駅近くにオープンした「ピッコロプレイパーク」は、屋内型の遊具施設で、ボールプールや巨大ジャングルジムが子どもたちに大人気だった。誕生日会プランや、週末のキャラクターイベントも評判で、親子三代に渡って通う家庭も珍しくなかった。しかし施設の老朽化と近隣に大型施設ができたことで来場者が減少し、10年以上の歴史に幕を下ろした。

■ レトロ空間「喫茶 茶房うらら」
末吉橋近くに存在した「茶房うらら」は、まるで明治時代からタイムスリップしてきたかのような和風喫茶店。珈琲と羊羹、抹茶とモンブランといった、和洋折衷のスイーツが名物で、着物姿のスタッフが迎えてくれる非日常の空間が人気だった。紅葉の季節には裏庭で撮影会も行われ、地元の写真愛好家たちの集いの場にもなっていた。惜しくも令和5年に閉業。

■ ユニーク書店「ブックストア鶴見堂」
「本を売るだけじゃつまらない」がモットーだった「ブックストア鶴見堂」は、地元の文学青年たちの聖地だった。壁一面の本棚、月1回の朗読会、手作り冊子の展示販売……など、個人経営とは思えぬ文化活動が盛んだった。とくに“夜更かし文庫”と銘打たれた深夜営業日は、キャンドルライトで読書会が開かれ、幻想的な空間を演出していた。店主の転居により閉店。

■ 懐かしのアミューズメント「ゲームセンター ぴっころ」
昭和末期から平成中期にかけて、仲通り商店街で子どもたちに人気だったのが「ぴっころ」というゲームセンター。UFOキャッチャー、メダルゲーム、格闘ゲーム、そして週末の「ストⅡ大会」など、子どもから高校生までが集う社交場でもあった。今では珍しくなったレトロ筐体の宝庫でもあり、閉店間際には遠方から訪れるファンもいたという。

■ 銭湯文化の象徴「富士乃湯」
鶴見の下町風情が色濃く残る寺尾地域にあった「富士乃湯」は、昭和20年代から営業していた地域密着型の銭湯。タイル絵に描かれた富士山、熱めの湯船、脱衣所のマッサージチェアなど、すべてが昭和の記憶を呼び起こすものであった。高齢化と維持費の問題から廃業したが、「富士乃湯の湯加減が一番」と語る元常連の声はいまだ多い。

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●過去の出来事（掲載時）

■ 多文化の交差点となった街
鶴見の国際的な顔
鶴見区は戦前から港町としての役割を担っており、その地理的特性から外国人労働者や移民の受け入れが早くから進んでいた。特に戦後、ブラジルからの帰国日系人や南米系移民、さらには東南アジアからの技能実習生が増加し、地域は独特な「多文化モザイク都市」として姿を変えていく。1990年代には南米系住民が鶴見市場駅近辺に定住し始め、ポルトガル語が飛び交う風景が日常の一部となった。キリスト教系の礼拝堂や、南米の食材店なども並び、住民たちの暮らしに溶け込んでいった。この多国籍性は、学校現場や行政サービスにも大きな影響を及ぼし、「多言語対応の窓口」や「文化理解講座」など新たな施策が生まれた背景となる。

■ 「鶴見線」という産業遺産の生き証人
JR鶴見線は、元々京浜工業地帯の労働者輸送のために敷設されたインフラだった。開通は1926年。当時の日本は重工業の発展が著しく、鶴見区は川崎と並んで工場密集地帯としてにぎわっていた。中でも扇町駅や海芝浦駅といった、工場に直結する駅の存在は、通勤電車という枠を超え「働く人の足」として地域を支え続けてきた。現代では利用者が限られていることもあり、“秘境駅”や“ローカル線の宝庫”として鉄道ファンの注目を浴びている。特に海芝浦駅は「改札を出ると海が目の前」という絶景で有名になり、鶴見線全体が観光資源として再評価されている。

■ 鶴見花月の笑いと涙の物語
今でこそ“演芸場”という文化は風化しつつあるが、かつて鶴見には「鶴見花月」という吉本興業系の劇場が存在していた。1970年代から80年代にかけて、地元の人々に愛されたこの劇場では、関西芸人の巡業公演も多く、漫才や落語を通じて多くの笑いと感動を届けていた。だが、時代の波とともに観客数は減少し、2000年初頭に閉館。その跡地には今やビルが建っているが、いまだに年配の地元住民の中には「あそこはかつての笑いの聖地だった」と懐かしむ声が絶えない。

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