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【地方】：東北地方
【都道府県】：秋田県
【市町村】：男鹿市
【面積】：241.09km2
【総人口】：21,928人（2025年4月1日）

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●概要（掲載時）

■ 海と山に抱かれた男鹿半島の中心都市
秋田県の北西部、日本海に突き出るように存在する男鹿半島。その中心に位置するのが男鹿市である。2005年3月22日に旧・男鹿市と南秋田郡若美町が合併し、現在の市が発足した。広大な海岸線と険しい山並みが共存するこの市は、地理的にも文化的にも秋田県内でも独特の存在感を放っている。
人口はおよそ2万人弱（2025年時点）と決して多くはないが、その分だけ地域コミュニティの結束が強く、豊かな自然資源と風土、そして「なまはげ」に代表される民俗文化が色濃く残されている土地でもある。

■ 地形が生んだ男鹿の多彩な表情
男鹿市の地理的特徴は、何と言っても「男鹿半島」そのものである。男鹿半島は南北に延びる尾根を中心に、東側に平野部、西側に断崖と岩礁の続く海岸線を持つ。市域はそのほぼ全域が半島にあたり、標高0メートルの海から700メートルを超える山々まで、わずかな距離の中に高低差のある地形が形成されている。
半島中央部には、男鹿の象徴的な山「寒風山（かんぷうざん）」がそびえる。標高は355メートルとさほど高くないものの、草原状の山肌から360度の展望が得られ、日本海、鳥海山、男鹿の町並みを一望できる名所である。また、男鹿市の北西には「入道崎」と呼ばれる岬があり、夕日スポットとしても名高い。

■ 火山とともに歩んできた大地の記憶
男鹿半島の成り立ちは、火山活動と地殻変動の繰り返しによって形作られてきた。特に男鹿市北部の八望台付近に広がる「八望台火山群」は、かつて活発な火山活動があった痕跡を今に残している。そのため、温泉資源にも恵まれており、男鹿温泉郷をはじめとした複数の温泉施設が存在している。
また、地質学的にも興味深い地形が多く、「ゴジラ岩」と呼ばれる奇岩や、波の侵食で形成された「男鹿の鬼の隠れ岩」などは、観光資源としても活用されている。

■ 神々と鬼が交差する伝承の世界
男鹿市を語る上で絶対に外せないのが、「なまはげ」である。大晦日の夜、鬼のような姿をした男たちが「泣く子はいねが～！」と叫びながら家々を巡るこの習俗は、地域の子どもたちに「悪いことをすればなまはげが来るぞ」と戒める民俗行事である。
この伝統はユネスコの無形文化遺産にも登録されており、男鹿市の名を国内外に知らしめる最大の要素ともなっている。男鹿真山伝承館やなまはげ館といった施設では、通年を通してその文化を学ぶことができ、観光客にも非常に人気がある。
「なまはげ」は単なる怖い鬼ではなく、「山の神の使い」としての役割を持つ存在であり、病気や災いを払い、幸福をもたらすとされる。地域に根ざした宗教的意味を帯びた存在なのだ。

■ 歴史を紐解くと見える、半島の営み
男鹿市の歴史は古く、古代から海を介した交流の要所であった。奈良時代には男鹿の海産物が朝廷への貢物として珍重され、また中世には男鹿の地侍たちが勢力を持っていた。近世に入ると秋田藩の支配下に置かれ、漁業や塩の生産が主要な産業となる。
江戸時代には男鹿半島に「寒風山御台場」などが築かれ、海防の拠点にもなった。明治以降は漁業と農業が基盤の町として発展し、昭和に入ると石油備蓄基地や風力発電施設の整備も進んでいった。
戦後は観光振興に力を入れるようになり、現在では「なまはげ」「温泉」「男鹿水族館GAO」などを核とした観光都市としての性格も併せ持っている。

■ 海の恵みが育む食の魅力
男鹿市は漁業が非常に盛んな地域であり、男鹿沖で獲れる魚介類はどれも絶品。特に「ハタハタ（鰰）」は秋田県を代表する魚で、冬になると漁が盛んになり、「しょっつる鍋」として家庭でも広く親しまれている。
他にも「寒ブリ」「真鯛」「アワビ」「ウニ」など、多種多様な海産物が揃う。また、近年は「男鹿の塩」を使った加工品やスイーツ、地ビール「なまはげビール」などの開発も進んでおり、地域資源を活かした地産地消の取り組みも活発だ。

■ 四季の風景とイベントの魅力
男鹿市の四季は明確で、それぞれの季節に応じた楽しみがある。春には「男鹿桜まつり」、夏には「男鹿日本海花火」、秋には「なまはげ太鼓ライブ」、冬には「男鹿のナマハゲ柴灯（せど）まつり」と、一年を通して多彩なイベントが開催される。
特に冬の「なまはげ柴灯まつり」は、神事と演出が融合した幻想的な催しで、なまはげたちが松明を掲げて山を下る様子は圧巻。国内外から多くの観光客が訪れる目玉イベントとなっている。

■ 都会にない“温もり”が息づく暮らし
男鹿市では、都市の喧騒とは無縁の、穏やかな時間が流れている。地元の人々はお互いをよく知る「顔の見える関係性」の中で暮らし、農業や漁業、観光業などを通じて自然とともに生きている。
また、近年では「移住・定住支援」の制度も整備されており、都市部からの移住者や二地域居住者も増加傾向にある。豊かな自然に囲まれてスローライフを実現したい人々にとって、男鹿市は理想の土地のひとつとなっている。

■ 未来を見据えて――持続可能な観光と共生社会
男鹿市は、伝統文化と観光、そして自然との共生を核にしたまちづくりを進めている。再生可能エネルギーや地域資源の循環型利用を意識した取り組みも増え、持続可能な観光都市としての進化が期待されている。
また、教育現場では郷土史教育が盛んに行われており、地元の子どもたちが「自分たちのまち」を誇りに思えるような環境づくりがなされている。伝統文化を次世代へとつなぐ活動は、すでに地域内外から高く評価されている。

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●地域（掲載時）

■ 【船川港（ふながわみなと）地区】
港町の鼓動が聞こえる場所
男鹿市の表玄関とも言えるのが「船川港地区」。ここは男鹿駅やフェリーターミナル、漁港が集まり、観光客と地元の暮らしが交差する中心地です。
もともと昭和期にはニシン漁や石炭の積み出しなどで繁栄し、鉄道や海運の要としての役割を担っていました。現在では「男鹿海洋高校」があり、海とともに生きる若者たちが育まれています。夕方、港に吹き抜ける潮風とともに、船の汽笛が遠くに響く――そんな情景が日常の一部です。
港の近くには地元民の憩いの場である「船川臨港公園」も整備されており、散歩する家族連れや釣り人の姿が絶えません。

■ 【脇本（わきもと）地区】
古道が今も息づく田園地帯
男鹿市の南部に広がる「脇本」は、男鹿半島の玄関口であり、古くから農業の盛んなエリアとして知られています。肥沃な土地と清流が田畑を潤し、四季折々の農作物が豊かに実る地域です。
また、かつて出羽国を結んだ古道「羽州街道」の宿場町としても栄えた歴史があり、現在でも古民家や蔵が点在し、当時の面影を随所にとどめています。
秋には「脇本の獅子踊り」などの伝統芸能が披露され、地域の絆を感じさせる祭りも多く開催されます。田んぼを渡る風の匂いと、山の稜線を背景に広がる夕焼けの風景は、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

■ 【戸賀（とが）地区】
神秘の湖と断崖に包まれた秘境
男鹿半島西部の入り組んだ海岸線に位置する「戸賀」は、いわば“男鹿の秘境”とも言うべき場所。カルデラ湖「男鹿半島八郎湖（戸賀湾）」と切り立った海蝕崖に囲まれたこの地は、自然の造形美が凝縮されたような独特の風景を持っています。
ここには「男鹿水族館GAO」や、「男鹿温泉郷」も近くにあり、観光の拠点としても重要なエリアですが、一方で人口は年々減少しており、かつての漁村の姿は徐々に静寂へと変わりつつあります。
夏には海水浴客でにぎわうが、冬の荒波の中に立つ男鹿の岩礁群は、まるで時が止まったかのような静謐さを湛えています。

■ 【北浦（きたうら）地区】
漁と祈りが息づく風の町
男鹿の北側に広がる「北浦地区」は、まさに“海の民”の暮らしが根づいた地域です。港町としての機能はもちろん、信仰と祭りが色濃く残っており、北浦神社の祭礼やなまはげの伝統行事などが現在でも活発に行われています。
北浦のなまはげは特に「荒々しさ」が有名で、家々を回る姿はまさに鬼神のごとき迫力。地元の人々にとっては、これが年末の欠かせない通過儀礼なのです。
さらに、北浦湾では古くからウニやアワビの採取も盛んであり、海女文化も一部で残されています。生活そのものが海と直結している、そんな土地柄を今に伝えています。

■ 【若美（わかみ）地区】
平野が広がる農耕の大地
旧・若美町にあたる男鹿市北東部の一帯は、緩やかな丘陵地帯と水田が広がる農業地帯です。特に「五里合（いりあい）」や「野石（のいし）」などの集落では稲作を中心とした伝統的な農業が続けられており、春から秋にかけて黄金色の稲穂が風にそよぐ光景が見られます。
また、若美地域では「男鹿梨」や「寒風山高原だいこん」などの特産物も多く、地元の道の駅や直売所では新鮮な農産物が手に入ります。
教育施設や保育所も比較的整備されており、若い世代の定住も意識したまちづくりが進められているのもこの地区の特徴です。

■ 【加茂青砂（かもあおさ）・野村（のむら）】
過疎と美しさの狭間に生きる集落
加茂青砂と野村地区は、男鹿半島の南西部にひっそりと点在する小規模な集落です。人口は少なく、時として“忘れられた村”と表現されることもありますが、ここには他にない景観と静けさが広がっています。
かつては定置網漁でにぎわった漁村でしたが、今では観光の穴場スポットとして徐々に注目を集めるようになっています。とくに加茂青砂の夕日は「隠れた絶景」と呼ばれ、写真愛好家に密かな人気です。
また、星空観測や自然体験型の観光プログラムも実施されており、“観光化されすぎない本当の田舎”を味わえる場所としてリピーターも増えつつあります。

■ 【鵜ノ崎（うのさき）・男鹿中（おがなか）】
古代の記憶と海の奇景
「鵜ノ崎海岸」は、干潮時に現れる“海の石畳”とも呼ばれる波食台で有名な景勝地。まるで宇宙の地表のような模様が海底に広がり、訪れる者を異世界へと誘います。
この地帯は、かつて縄文人が暮らした痕跡も多く見つかっており、男鹿の歴史の深さを体感できる場所でもあります。
近隣の「男鹿中」地域には神社仏閣や古墳なども点在し、地元の古老たちは「この辺りは神さまが歩いた道」として昔話を今に語り継いでいます。

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●代表的な観光スポット（掲載時）

★入道崎
男鹿半島の最北端に位置する岬で、雄大な日本海を一望できます。​芝生の丘と白黒の灯台が特徴的で、夕日の名所としても知られています。​
おすすめ時期：​春から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約50分
費用：​灯台見学は無料​

★寒風山
標高355mの山で、山頂からは男鹿半島や日本海を360度見渡せます。​回転展望台があり、ゆっくりと景色を楽しめます。​
おすすめ時期：​春から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​展望台入場料は大人550円、子供270円​

★ゴジラ岩
波の浸食によって形成された奇岩で、夕日が沈む時間帯には、まるでゴジラが火を吹いているように見えます。​
おすすめ時期：​夕日が美しい夏から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約40分
費用：​見学は無料​

★男鹿水族館GAO
男鹿の海を再現した大水槽や、ホッキョクグマの展示が人気の水族館です。​家族連れにもおすすめです。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から車で約40分
費用：​大人1,100円、小中学生400円、幼児無料​

★雲昌寺
境内に咲き誇る青色のアジサイが有名なお寺で、初夏には多くの観光客が訪れます。​
おすすめ時期：​6月中旬から7月中旬
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​拝観料は通常200円、アジサイ期間中は500円​

★なまはげ館
男鹿の伝統行事「なまはげ」を紹介する施設で、実際のなまはげの衣装や道具が展示されています。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​大人550円、小中学生275円​

★男鹿真山伝承館
なまはげの実演を見学できる施設で、伝統文化を体感できます。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​大人770円、小中学生550円​

★男鹿大佛
高さ28mの巨大な大仏で、周囲には四季折々の花が咲き誇ります。​
おすすめ時期：​春から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約20分
費用：​拝観は無料​

★男鹿温泉郷
男鹿半島の中心部にある温泉地で、宿泊施設や日帰り温泉が充実しています。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​宿泊費は施設によって異なります​

★男鹿市立郷土博物館
男鹿の歴史や文化を紹介する博物館で、考古資料や民俗資料が展示されています。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から車で約15分
費用：​大人300円、小中学生150円​

★八望台
男鹿半島の西側に位置する展望台で、日本海や男鹿の山々を一望できます。​
おすすめ時期：​春から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約40分
費用：​見学は無料​

★鵜ノ崎海岸
干潮時に現れる岩礁が特徴的な海岸で、磯遊びや釣りが楽しめます。​
おすすめ時期：夏
アクセス：​JR男鹿駅から車で約20分
費用：​見学は無料​

★戸賀湾
男鹿半島の西側にある湾で、穏やかな海と美しい夕日が魅力です。​
おすすめ時期：​夏から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約40分
費用：​見学は無料​

★男鹿半島・大潟ジオパーク
男鹿半島と大潟村を中心とした地域で、地質や地形の成り立ちを学べる施設や自然が豊富です。​
おすすめ時期：​春から秋にかけて
アクセス：​JR男鹿駅から車で約30分
費用：​施設によって異なります​

★男鹿市観光案内所
観光情報やパンフレットを入手できる施設で、旅行の計画に役立ちます。​
おすすめ時期：通年
アクセス：​JR男鹿駅から徒歩すぐ
費用：​利用は無料​

★赤神神社五社堂
男鹿半島の山中にひっそりと佇む由緒ある神社。999段の石段を登り切った先にある五つの社殿が荘厳な空気を漂わせています。なまはげ伝説発祥の地ともされており、神秘的な雰囲気が漂います。
おすすめ時期：紅葉が美しい10月下旬～11月上旬
アクセス：男鹿温泉郷から登山道入り口まで車で約10分、そこから徒歩約30分
費用：参拝無料

★八郎潟残存湖展望スポット（通称：八郎湖）
干拓以前の八郎潟の名残を今に伝える静寂の湖。釣り人やバードウォッチャーに人気の隠れ名所で、水面に映る空が美しく、季節ごとの景観が趣深い。
おすすめ時期：春の渡り鳥シーズン（3月～4月）と秋の収穫期（10月）
アクセス：男鹿駅から車で30分
費用：無料

★西黒沢なまはげ伝説の里
なまはげの起源とされる集落のひとつで、地元住民による語り部の案内が体験できることも。生活に根付いた風習や信仰が残る土地で、まるで昔話の世界へ足を踏み入れたかのよう。
おすすめ時期：雪が残る冬の時期（1～2月）に訪れると、なまはげの雰囲気倍増
アクセス：JR男鹿駅から車で約35分
費用：案内体験料500円前後（予約制）

★男鹿温泉交流センター「五風」
地元の方も多く訪れる公共温泉施設。広々とした内湯と露天風呂からは、男鹿の山並みをのぞめ、旅の疲れを癒すには最適。
おすすめ時期：寒さの厳しい冬、特に雪見風呂が人気
アクセス：男鹿駅から車で約25分
費用：大人400円・小人200円

★男鹿市船川漁港
かつて北前船の寄港地としても栄えた歴史ある港。朝市や旬の魚介類が楽しめる直売所が並び、観光客にも地元グルメファンにも人気。
おすすめ時期：ハタハタ漁が解禁される12月ごろ
アクセス：JR男鹿駅から徒歩約10分
費用：見学無料（食事や買い物は実費）

★椿神社
春になると境内一帯に椿の花が咲き誇り、地元では“椿まつり”が開催される名所。厄除けや安産祈願で知られ、家族連れの参拝客も多い。
おすすめ時期：3月中旬～4月上旬
アクセス：JR船越駅から車で約20分
費用：参拝無料

★菅江真澄の遊覧記念碑
江戸時代の紀行家・菅江真澄が男鹿の景観に魅了された記録を残した記念碑。文学と風景の融合地として、静かに心を落ち着けたい人におすすめ。
おすすめ時期：夏の緑に囲まれる季節
アクセス：JR男鹿駅から車で20分
費用：無料

★真山神社の百段階段
五社堂とはまた別の歴史をもつ神社で、境内の急な階段が印象的。かつて修験者たちが修行の場としたと言われ、今もその神聖さを感じられます。
おすすめ時期：新緑がまぶしい5月
アクセス：男鹿温泉郷から徒歩10分
費用：参拝無料

★潮瀬崎
釣りスポットとして有名な岩場が連なる海岸。夕暮れ時の絶景は「男鹿の最果て」とも称され、カメラを持った観光客にも人気。
おすすめ時期：夏の夕日シーズン
アクセス：JR男鹿駅から車で約50分
費用：無料

★戸賀洞門
波の侵食により長い年月をかけて作られた天然の洞門。地元では「海の門」と呼ばれ、磯遊びやボートツアーで近づくことができる。
おすすめ時期：海が穏やかな夏～秋
アクセス：JR男鹿駅から車で約45分
費用：ボートツアー1,000円～

★男鹿海洋釣りセンター
釣り初心者でも安心の施設で、竿の貸し出しや指導付き。目の前の海で新鮮な魚と格闘できる貴重な体験が味わえる。
おすすめ時期：海釣りが活発な6月～10月
アクセス：JR男鹿駅から車で20分
費用：利用料500円～（道具・エサ別途）

★男鹿フェスティバル会場跡地（なまはげ祭り）
冬に行われる「男鹿のなまはげ柴灯（せど）まつり」の舞台。勇壮な松明行列やなまはげの舞を再現する祭りは冬の風物詩。
おすすめ時期：2月第2週の週末
アクセス：JR男鹿駅からバスまたは臨時シャトル
費用：観覧無料、一部有料観覧席2,000円程度

★船川臨海工業地帯の夜景
地元では穴場のフォトスポット。港町ならではの工場夜景が楽しめ、静けさの中に浮かび上がる光景が幻想的。
おすすめ時期：空気が澄んでいる秋～冬
アクセス：JR男鹿駅から車で約15分
費用：無料

★男鹿市観光拠点施設「オガーレ」
土産物店や食事処、観光案内所が集まった複合施設。地元産品が多く揃い、旅の締めくくりに立ち寄るには最適。
おすすめ時期：通年
アクセス：JR男鹿駅から徒歩2分
費用：入場無料（買い物は実費）

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●主な交通手段（掲載時）

■ 市内の基幹交通 ― JR男鹿線で海沿いの町を縦断する
男鹿市内を東西に貫くように走るJR男鹿線は、男鹿半島の東端から南部へのアクセスを担う重要な交通インフラです。主要駅は船越駅・脇本駅・男鹿駅などで、観光スポットの多くがこれらの駅周辺に集中しています。
例えば、男鹿駅からは「なまはげ館」や「男鹿真山伝承館」へのアクセスが良好で、観光客向けの案内やバスの乗り継ぎも充実しています。列車の本数は1時間に1本程度と多くはありませんが、旅の計画に合わせて組み込めば快適な移動手段になります。
特筆すべきは、観光シーズンに運行される観光列車「男鹿なまはげライナー」。内装や外装に地元の文化を取り入れたこの列車は、乗車そのものが観光体験となり、観光客に高い人気を誇っています。

■ バスでめぐる男鹿の風景 ― 地域密着型の循環網
男鹿市内の観光地は鉄道だけでは網羅しきれません。そのため、バスの活用が非常に重要となります。市が運行する男鹿市営バス、あるいは秋田中央交通の路線バスが、市内各地を結びます。
男鹿駅を拠点とした観光バス「男鹿観光周遊バス（男鹿ぐるっとバス）」は、夏季やイベント期間中に運行され、男鹿水族館GAO・ゴジラ岩・入道崎など主要な観光スポットを巡回。予約不要でリーズナブルな料金設定が魅力で、気軽に利用できるのが強みです。
また、地域の高齢者や地元住民の生活の足としても活躍する「地域巡回バス」は、観光地以外のエリアへも足を運べる点が、ディープな男鹿を体感したい旅人にとっては魅力的です。

■ 観光に特化した移動手段 ― レンタカーとタクシーの活用
観光の自由度を高めるなら、レンタカーの利用が最も効率的です。男鹿駅前にはいくつかのレンタカー会社が拠点を構えており、予約をしておけばスムーズな出発が可能です。
車での移動は、特に男鹿半島の西部や北部に点在するスポットを巡る際に真価を発揮します。入道崎や寒風山、潮瀬崎など、自然の魅力あふれる名所は公共交通ではアクセスしづらいため、自家用車やレンタカーがあると行動範囲が一気に広がります。
また、タクシーを観光目的で利用する方法もあります。男鹿市内には観光タクシーサービスがあり、地元ドライバーによる解説付きの観光ルートを案内してもらえるため、知識の深い旅を楽しめます。時間貸しやスポット周遊型のプランも用意されており、旅のスタイルに合わせて選択できます。

■ 自転車と徒歩で感じる自然の鼓動 ― ゆるやかに巡るスロー旅
男鹿の魅力をもっとも肌で感じるなら、自転車や徒歩といったアナログな移動方法も選択肢に加わります。
男鹿駅前や観光施設では、観光客向けのレンタサイクルサービスが展開されており、電動アシスト付き自転車で快適に坂道を上ることも可能です。海岸沿いのルートや田園地帯を駆け抜ける風は格別で、時間を忘れてしまいそうな開放感に包まれます。
また、男鹿半島にはトレッキングや自然散策に最適なルートが多く、例えば寒風山では歩きながら360度の絶景を楽しめる遊歩道が整備されています。道中で出会う地元の人々とのふれあいも、旅に彩りを添える大切な要素です。

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●代表的な名物・名産品・特産品（掲載時）

★しょっつる
概要： ハタハタを原料にした魚醤で、濃厚なコクと塩味が料理を格上げする万能調味料。鍋料理やチャーハンの隠し味として地元の家庭に浸透。
費用： 小瓶150mlで約500円～800円程度。

★ハタハタ寿司
概要： 塩漬けしたハタハタと米・人参・ショウガを混ぜて漬け込んだなれ寿司。酸味と魚の旨味が調和した発酵食品。
費用： 一折（約300g）で1,000円～1,500円程度。

★石焼料理
概要： 熱した石を木桶に入れ、魚介や味噌汁を一気に煮立たせる男鹿名物。旅館やイベントで提供されることが多く、特別な体験型料理。
費用： 観光地の食事処で1人前2,000円～3,500円程度。

★男鹿梨（幸水・豊水）
概要： 日本海の風と昼夜の寒暖差が育てた甘みの強い梨。大玉で果汁が多く、贈答品としても人気。
費用： 5～6個入り1箱で2,000円～3,000円程度。

★寒風山高原牛乳
概要： 寒風山のふもとで育った牛から搾られる牛乳。低温殺菌で仕上げられ、まろやかで甘みがある。瓶入りも人気。
費用： 500mlで約300円～400円。

★男鹿産天然塩
概要： 男鹿半島の海水を炊き上げた無添加の塩。粒が細かく料理に使いやすい。にがり成分も豊富で味に深みがある。
費用： 100gで400円～600円程度。

★男鹿焼
概要： 男鹿市で焼かれる素朴で力強い陶器。ナマハゲや魚などをモチーフにした器や置物が特徴的。
費用： 小皿1枚1,000円～、花瓶や酒器は5,000円～10,000円程度。

★ナマハゲ面
概要： ナマハゲの表情を模した木彫りの面。観光客に人気で、魔除けやインテリアにも活用される。
費用： 小型1,500円～、本格的な面は10,000円以上。

★赤ナマハゲ飴
概要： 唐辛子を練り込んだ赤い飴。舌にピリッと来る辛味と甘さの対比がクセになる。ナマハゲを模した包装も人気。
費用： 1袋200円～300円程度。

★寒風山の高原野菜
概要： 高冷地で栽培されるレタス、キャベツ、トマトなど。昼夜の寒暖差で糖度が高く味が濃い。直売所でも好評。
費用： 1袋200円～400円程度。

★ナマハゲだし
概要： ハタハタや昆布、椎茸などをブレンドした万能出汁パック。家庭用でもプロ並みの味が楽しめる。
費用： 10袋入りで800円～1,200円程度。

★男鹿の昆布巻き
概要： 昔ながらの製法で煮込まれた昆布巻き。中にはニンジンや魚肉が入り、濃い目の味付けがご飯と相性抜群。
費用： 1本400円～600円。

★ハタハタ干物
概要： 干して塩味を加えることで、ハタハタ本来の風味が凝縮。軽く炙って香ばしく食べるのが男鹿流。
費用： 3尾入りで600円～1,000円程度。

★男鹿寒風干し
概要： 男鹿の冬の冷たい風で干された魚の干物。スケトウダラやカレイなどが定番。保存性と旨味が高い。
費用： 種類により500円～1,500円程度。

★ナマハゲせんべい
概要： 唐辛子入りの生地を香ばしく焼き上げた煎餅。ナマハゲをあしらったパッケージがユニーク。
費用： 1袋（10枚入り）で約500円前後。

★寒風山そば
概要： 男鹿の気候で育った蕎麦を使用。喉越し良く風味豊かで、年越しそばや贈答にも人気。
費用： 2人前セットで約700円～1,000円。

★ナマハゲぬいぐるみ
概要： 赤鬼・青鬼の姿を模したぬいぐるみ。お土産としても人気で、子どもへのプレゼントにもぴったり。
費用： 小サイズ800円～、大サイズは2,000円前後。

★男鹿味噌
概要： 国産大豆と米麹を使い、長期間熟成させた味噌。田舎味噌らしい濃い味わいで、味噌汁が格段に美味しくなる。
費用： 500gで500円～700円程度。

★天然山菜セット
概要： タラの芽・こごみ・ふきのとうなど、男鹿の山中で採れた春の味覚。地元直送で鮮度抜群。
費用： 約1kgで1,500円～2,500円。

★男鹿の地酒「北鹿男鹿なまはげ」
概要： 秋田の名蔵「北鹿酒造」が手がける、ナマハゲを冠した純米酒。キレのある辛口で海鮮と好相性。
費用： 720mlボトルで約1,300円～1,800円。

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●人気のお土産（掲載時）

★なまはげ饅頭
概要：男鹿市を象徴する「なまはげ」を模した和風まんじゅう。黒糖を練り込んだ皮で、ほどよい甘さのこしあんを包んでいる。外観はなまはげの顔をあしらっており、子どもへのお土産にも人気。
費用：1箱（6個入り）で約700円程度。

★寒風山しお風味せんべい
概要：寒風山の自然をイメージした、ほんのり塩味の米菓。地元の米と日本海の塩を使用して焼き上げた香ばしい一枚は、お茶請けにもぴったり。
費用：12枚入りで約600円前後。

★男鹿しょっつる干しイカ
概要：男鹿の名産・魚醤「しょっつる」で味付けされた珍味系おつまみ。イカを絶妙な塩梅で乾燥させ、香ばしさと旨みが詰まっている。酒の肴として絶賛されている。
費用：1袋あたり800円前後。

★ナマハゲチョコクランチ
概要：「怖カワ」系のお土産として大人気。なまはげの顔をプリントした個包装に包まれたクランチチョコで、観光客の心をつかむ見た目と甘さが魅力。
費用：10個入りで600円～700円。

★男鹿海藻せっけん
概要：日本海の海藻成分を使用した自然派石けん。保湿力が高く、洗顔用としても人気。特に女性客から高評価を得ている逸品。
費用：1個900円程度。

★寒風山の恵み 青さのり味噌
概要：青さ海苔をふんだんに使った風味豊かな味噌。ご飯のお供にも、田楽のタレにも重宝される万能調味料。地元の家庭でも愛用されている。
費用：1瓶（150g）で約650円。

★男鹿甘塩うに瓶
概要：日本海で獲れたウニを、最低限の塩だけで漬け込んだ贅沢な一瓶。ウニ本来の風味が活きた、通向けの逸品。
費用：1瓶で1,800円～2,500円前後。

★なまはげキーホルダー
概要：土産の定番アイテム。なまはげのミニチュアが付いたカラフルなキーホルダーで、種類も豊富。家族や職場へのちょっとしたプレゼントに最適。
費用：1個400円～500円。

★男鹿温泉たまごせんべい
概要：温泉たまごをイメージしたほんのり甘くてやさしい味わいの煎餅。お年寄りにも好評な、ふんわりした口当たりが特徴。
費用：12枚入りで700円程度。

★ハタハタずし
概要：秋田の郷土料理「はたはた寿司」を、お土産用に真空パック。酸味と魚の旨味が絶妙にマッチした発酵食品。冷蔵保存で持ち帰り可能。
費用：1パック（2～3人前）で1,500円ほど。

★なまはげキャンディ
概要：ピリリとした生姜味が特徴のユニークな飴。なまはげの顔を模した缶入りバージョンもあり、インパクト抜群のパッケージが評判。
費用：缶入りで500円～600円。

★男鹿梨ゼリー
概要：男鹿で栽培される「豊水梨」や「幸水梨」を使った果汁たっぷりのゼリー。爽やかな甘みと食感が口いっぱいに広がる。
費用：6個入りセットで1,000円前後。

★なまはげだし醤油
概要：昆布と鰹、さらにはしょっつるの風味が合わさった万能だし醤油。炒め物からおでんまで幅広く使える家庭料理の名脇役。
費用：1本（300ml）で600円～700円。

★男鹿の塩あめ
概要：日本海の海水から作られた天然塩を使用したキャンディ。塩のまろやかさと控えめな甘みがあとを引く。夏の塩分補給にも人気。
費用：1袋（100g）で400円程度。

★なまはげ面クッキー
概要：なまはげの顔をかたどったユニークな焼き菓子。甘さ控えめでバターの香りが豊か。パッケージもインパクトがあり、SNS映えする商品。
費用：8枚入りで650円～700円。

★男鹿ふぐの干物
概要：地元で水揚げされたトラフグを丁寧に干した珍味。炙ることで香ばしさが引き立ち、贅沢なおつまみとして人気。
費用：1枚で1,200円～1,500円程度。

★しょっつるラーメンセット
概要：魚醤の「しょっつる」をスープに使った独自のラーメン。魚介の香りと旨味が溶け合い、一度食べたら忘れられない味に。乾麺とスープのセットで販売。
費用：2食入りで700円～800円。

★なまはげ絵はがきセット
概要：男鹿の四季とともになまはげを描いた絵葉書の詰め合わせ。昔懐かしい風合いで、旅の思い出にぴったり。
費用：5枚セットで400円～500円。

★男鹿半島の海藻ミックス
概要：わかめ、昆布、あかもくなど男鹿の磯の恵みを乾燥ミックスにした商品。水で戻してサラダや味噌汁に最適。
費用：1袋（30g）で500円前後。

★ナマハゲぬいぐるみ
概要：観光地の売店で特に子どもたちに人気のグッズ。赤鬼・青鬼タイプがあり、表情もそれぞれ個性的。柔らかい素材で安心。
費用：Sサイズで800円～、Lサイズで1,800円ほど。

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●代表的な食文化・ご当地グルメ（掲載時）

■ 石焼料理：灼熱の石が生む漁師の即興鍋
男鹿の漁師料理といえば、まず外せないのが「石焼料理」。金属の鍋を使わず、大きな木桶に旬の魚介や野菜を入れ、そこへ火で真っ赤に熱した石を次々と投入して一気に煮立たせる豪快な料理です。古来より漁の合間に船の上で即興的に作られたとされ、現在では観光客向けに旅館や食事処でも提供されています。キンキやマダラ、イカなど地元の海の幸の出汁が滲み出し、熱された石がジュウジュウ音を立てる様子は圧巻。見た目も味もエンタメ性も抜群の逸品です。

■ しょっつる鍋：魚醤の旨味が染み渡る冬の名物
「しょっつる」とは、ハタハタを塩漬けにして発酵させた秋田の伝統的な魚醤。男鹿ではこれを使った「しょっつる鍋」が冬の定番料理です。寒さ厳しい季節、湯気の立ち昇る鍋からは、しょっつる特有の深いコクと香ばしさが広がります。主役のハタハタは、骨まで柔らかく煮込まれており、ブリコ（卵）とともに口に入れれば、滋味あふれる旨味が広がります。白菜やネギなどの野菜も相性抜群で、鍋一杯に男鹿の海と大地の恵みが凝縮されています。

■ ハタハタ寿司：発酵の妙が生む祝いの味
秋田各地に伝わる「なれずし」の一種であるハタハタ寿司は、男鹿でも古くから冬のごちそうとされてきました。塩漬けしたハタハタを米麹とともに漬け込み、数週間かけて発酵させるという手間のかかる保存食。発酵が進むことで魚の骨はやわらかくなり、旨味が引き出されて独特の酸味と甘みを帯びた味わいになります。お正月やお祭りの際に食卓に並び、まさに男鹿の「ハレの日」の象徴とも言える伝統料理です。

■ なまはげ汁：神の訪れにふさわしい力強い一椀
「泣ぐ子はいねが」で有名ななまはげ行事は、男鹿市の冬を象徴する風習ですが、その際に振る舞われるのが「なまはげ汁」。豚肉、大根、人参、ごぼう、こんにゃくなど具だくさんの味噌仕立ての汁物で、体を芯から温めてくれます。行事の夜に地区の家々を巡るなまはげたちやその家人をもてなす意味も込められています。滋養強壮の意味合いもあり、厳冬期を乗り越えるエネルギー源として地域に親しまれてきました。

■ 男鹿のいぶりがっこ：燻煙の香りが染み込んだ漬物の逸品
秋田を代表する漬物「いぶりがっこ」は男鹿市でも広く作られています。男鹿のいぶりがっこは、燻製の香りが強めで、パリパリとした歯応えが特徴的。地元産の大根を使い、寒風に晒した後、囲炉裏の上で燻した後に糠漬けするという製法を守り続けています。ごはんのお供にも、日本酒の肴にも相性抜群で、観光客にも人気の高い土産品でもあります。

■ 魚醤ラーメン：伝統の旨味を現代風にアレンジ
男鹿の名産「しょっつる」を現代風に応用したのが「魚醤ラーメン」。鶏ガラや煮干しなどを合わせたスープに、しょっつるで深い旨味をプラス。透明感のあるスープには独特のコクがあり、あっさりしていながらも満足感のある味わいです。地元のラーメン店が競い合うように独自の魚醤ラーメンを提供しており、食べ歩きの楽しみもあります。

■ アカモク料理：海藻の力で健康志向に応える一皿
男鹿の海で獲れる海藻「アカモク」は、ヌメリとシャキシャキした食感が特徴のスーパーフードとして注目されています。酢の物、味噌汁、天ぷら、うどんのトッピングなど、地元では日常的に食卓に登場する食材。食物繊維、ミネラル、フコイダンなど栄養価が高く、健康志向の人々にとっても魅力的なご当地グルメです。

■ 漁師の朝定食：港町ならではの活きの良さを満喫
男鹿の港町では、朝の漁を終えた漁師たちが食べてきた「漁師定食」が食堂などで提供されています。焼き魚、刺身、小鉢、ご飯、味噌汁といった構成ながら、内容は日替わりでその日の水揚げ次第。特にイカやアジ、マダイなどの新鮮な魚介が盛り込まれ、まさに海の恵みをそのまま堪能できる贅沢な一膳です。

■ 寒風干しの魚：冬風と時間が仕立てる旨味の凝縮
男鹿の冬の風物詩ともいえるのが「寒風干し」。風通しの良い場所に干された魚は、寒風に晒されることで余分な水分が抜け、身の旨味が濃縮されていきます。ハタハタ、カレイ、タラなどが定番で、焼くだけで香ばしく、身はふっくらとした仕上がりに。贈答品としても重宝される伝統的な保存食です。

■ 男鹿の米・味噌・醤油：脇役が名脇役に変わる土地の味
料理の主役を引き立てるのは、土地の調味料と主食の質の高さ。男鹿の農地では雪解け水を活かした米作りが行われており、「あきたこまち」などが豊かに実ります。また、地域の味噌や醤油も、地元産の大豆や米を原料に使い、昔ながらの製法を守る蔵元が存在しています。これらの調味料があるからこそ、男鹿の料理は深い味わいを持つのです。

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●代表的な祭・イベント（掲載時）

★なまはげ柴灯まつり
概要： 冬の風物詩として知られるこの祭りでは、鬼の面をかぶった「なまはげ」が松明を持って山から下りてきます。​人々の無病息災を祈願する伝統行事です。​
観光時期： 毎年2月の第2金・土・日曜日​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約20分​
費用： 観覧無料​

★男鹿のナマハゲ行事
概要： 大晦日に行われる伝統行事で、なまはげが各家庭を訪れ、怠け者を戒め、家内安全を祈願します。​
観光時期： 12月31日​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から各地域へ​
費用： 観覧無料​

★男鹿日本海花火大会
概要： 夏の夜空を彩る花火大会で、音楽とシンクロした花火が見どころです。​
観光時期： 8月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩約15分​
費用： 観覧無料（一部有料席あり）​

★男鹿半島なまはげ太鼓
概要： なまはげをモチーフにした太鼓演奏で、力強いリズムが特徴です。​
観光時期： 通年（定期公演あり）​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約10分​
費用： 公演により異なる（要確認）​

★男鹿の海の日祭り
概要： 海の恵みに感謝する祭りで、新鮮な海産物の販売や体験イベントが開催されます。​
観光時期： 7月第3月曜日（海の日）​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約15分​
費用： 入場無料（飲食・体験は有料）​

★男鹿の火祭り
概要： 火を使った幻想的な祭りで、松明行列や火の舞が行われます。​
観光時期： 8月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約20分​
費用： 観覧無料​

★男鹿の灯籠まつり
概要： 手作りの灯籠が街を彩る祭りで、幻想的な雰囲気が楽しめます。​
観光時期： 9月上旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 観覧無料​

★男鹿の盆踊り大会
概要： 地域住民と観光客が一体となって踊る盆踊り大会です。​
観光時期： 8月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 参加無料​

★男鹿の夏祭り
概要： 屋台やステージイベントが盛りだくさんの夏祭りです。​
観光時期： 7月下旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 入場無料（飲食・体験は有料）​

★男鹿の秋祭り
概要： 収穫を祝う祭りで、地元の特産品の販売やイベントが開催されます。​
観光時期： 10月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約15分​
費用： 入場無料（飲食・体験は有料）​

★男鹿の冬まつり
概要： 雪と氷のアートが楽しめる冬の祭りで、イルミネーションも見どころです。​
観光時期： 1月下旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約20分​
費用： 入場無料​

★男鹿の春まつり
概要： 桜の開花に合わせて開催される祭りで、花見とともに地元のグルメが楽しめます。​
観光時期： 4月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 入場無料（飲食・体験は有料）​

★男鹿の収穫祭
概要： 秋の収穫を祝う祭りで、新鮮な農産物の販売や体験イベントが行われます。​
観光時期： 10月下旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から車で約15分​
費用： 入場無料（飲食・体験は有料）​

★男鹿のグルメフェスティバル
概要： 地元の食材を使った料理が楽しめるグルメイベントです。​
観光時期： 11月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 入場無料（飲食は有料）​

★男鹿の文化祭
概要： 地元の芸術や文化を紹介するイベントで、展示やパフォーマンスが行われます。​
観光時期： 11月下旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 入場無料​

★男鹿の音楽祭
概要： 地元アーティストによる音楽ライブが楽しめるイベントです。​
観光時期： 6月中旬​
アクセス： JR男鹿線「男鹿駅」から徒歩圏内​
費用： 入場無料（飲食は有料）​

★男鹿の映画祭
概要： 地域にゆかりのある映画の上映や、映画関係者によるトークイベントが開催されます。​
観光時期： 9月下旬​

★男鹿の古民家芸術祭
概要：男鹿の古民家を活用し、地域の芸術家や職人による作品展示やライブパフォーマンスを実施する文化祭です。町の歴史とアートが交差する独自の空間が魅力。
観光時期：10月上旬～中旬（土日中心に開催）
アクセス：JR男鹿線「羽立駅」から徒歩約15分の古民家群会場
費用：入場無料（一部ワークショップ有料：500円～）

★寒風山パラグライダー体験フェスタ
概要：寒風山の絶景を舞台に、初心者でも参加可能なパラグライダー体験会やフードフェスなどが行われる空と自然の祭典。
観光時期：5月のゴールデンウィーク期間
アクセス：JR男鹿線「男鹿駅」から車で約25分
費用：入場無料、体験料は1回3,000円程度

★男鹿水族館GAO 夏の夜間開館イベント
概要：男鹿水族館GAOが夏季限定で夜まで開館し、ナイトアクアリウムやイルカの夜間ショーが楽しめます。ライトアップされた海の生物たちの姿は幻想的。
観光時期：7月下旬～8月中旬の土日
アクセス：JR男鹿線「羽立駅」から車で約20分
費用：大人1,100円、小中学生400円（通常の入館料）

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●特性（掲載時）

■ 海と火山に育まれた独自の地勢
秋田県の西端、日本海に面して突き出すように存在する半島地帯――それが男鹿市だ。この地の地形は、男鹿半島の特異な自然環境によって形づくられており、海岸線は険しい断崖と入り組んだ湾が続き、内陸部には火山性の山々が連なる。中でも代表的なのが寒風山や真山・本山などであり、これらは観光地としてだけでなく、地域住民の信仰や暮らしの中にも深く根差している。
このような変化に富んだ地勢は、漁業や農業などの基盤産業に多様性をもたらし、自然との密接なつながりを前提とした生活様式を今に伝えている。

■ 風土が育てた力強い文化と精神性
男鹿市を語るうえで外せないのが、「なまはげ」の存在だ。鬼のような姿をしたこの伝統行事は、年の瀬に各家庭を訪れ、怠け心を戒めるというもの。これは単なる観光資源ではなく、厳しい自然の中で生き抜いてきた人々の生活哲学や家族観、社会性の象徴でもある。
この風習に象徴されるように、男鹿の人々は表面の穏やかさとは裏腹に、芯の通った誠実さと厳しさを内に秘めている。外部の人には優しく、仲間同士では厳しくという土地柄は、地域共同体の強さを生んでいる。

■ 地域性：閉鎖と開放の交錯する半島
男鹿半島という立地は、地理的には「端」にあるがゆえに、かつては交通の便が悪く、ある種の閉鎖性を保ってきた。だが、それゆえに育まれた自立的な精神と、外から来たものを柔軟に取り入れる適応力が共存する地域性を持っている。
たとえば、漁業技術や農業の品種改良、さらには観光戦略においても、地域外の知識を吸収しつつ、男鹿独自のやり方で再解釈する姿勢が顕著だ。それはまさに、内なる誇りと外への好奇心が融合した結果といえるだろう。

■ 方言に滲む土地のリズムと言葉の温度
男鹿市で話される方言は、秋田弁の中でも特に海寄りの色が濃い。語尾に「～だべ」「～すけ」などがつくのが特徴で、語感には柔らかさと親しみがある一方、言い回しの中にどこか古風な力強さを宿す。
例えば、「おもしぇな～」（面白いね）、「どごさいぐの？」（どこ行くの？）といった表現は、リズムが心地よく、他県の人にも好意的に受け取られやすい。この言葉の響きには、男鹿の自然と生活のリズムが投影されており、方言自体が地域のアイデンティティとして機能している。

■ 秋田市との距離感と共生のあり方
男鹿市のすぐ東には、秋田県の中心都市である秋田市がある。行政や経済の中心が秋田市にあることから、男鹿市は長らく「支所的」な役割を担う立場で見られがちだった。しかし、それに甘んじることなく、独自の文化と観光資源を磨き上げることで、現在では“別種の魅力をもった自治体”としての地位を確立しつつある。
秋田市に通勤する人も多く、交通面では男鹿線の鉄道や県道が結びつきを強めている一方で、観光やイベント面では差別化を図る動きも活発だ。たとえば、秋田市が都市型イベントに力を入れる一方で、男鹿市は「なまはげ柴灯まつり」や「男鹿日本海花火」など、自然と民俗文化を融合させた独自の催しに注力している。

■ 能代・潟上などとの文化的連携
男鹿市の北方には能代市、東には潟上市などが位置し、それぞれの地域とは文化的・経済的なつながりがある。特に能代市とは、かつて漁業や港湾活動での交流が盛んであり、漁協を介した連携はいまもなお続いている。
また潟上市とは、農産物の物流や地元祭りの相互参加など、人の往来が比較的頻繁だ。これにより、男鹿市は孤立した地域ではなく、北西部秋田県における「地域文化の要衝」としての役割も果たしている。

■ 観光都市としてのポテンシャルと課題
男鹿市は、寒風山の360度パノラマ、入道崎の絶景、男鹿水族館GAO、ゴジラ岩など観光資源に恵まれている。そのうえ「なまはげ」のブランド力が強く、全国的な知名度もあるため、インバウンドや国内観光客の誘致には強い武器を持っている。
ただし、課題も少なくない。宿泊施設の整備や交通インフラの更新、観光地の一体的な導線設計など、全体の観光体験を高めるための工夫が今後の焦点となるだろう。

■ 未来へ向けて：地域資源の再定義
男鹿市の魅力は「古さ」や「伝統」に偏っているわけではない。実は再生可能エネルギーやデジタル田園都市構想への取り組みも進んでおり、「持続可能な観光地」や「環境文化都市」としての新たなスタンスも模索している。
また、UターンやIターンで移住してきた若者たちによるカフェやゲストハウス、地域メディアの発信など、都市と地方の“ちょうど良い距離感”を模索する動きも見られ、これからの男鹿市を形づくる大きな推進力となっている。

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●過去に人気だった店（掲載時）

★海辺の食卓「なまはげ漁港食堂」
かつて船着場の近くで営業していたこの食堂は、港町ならではの朝獲れ魚介を使った料理で知られ、観光客だけでなく地元の漁師も常連だった。メニューは季節に応じて変わり、冬にはハタハタの塩焼き、夏には岩ガキの酢の物が定番。特に人気だったのは、味噌仕立ての「漁師汁定食」で、味噌の中にぶつ切りの魚や貝、根菜がどっさり入っていた。残念ながら数年前に閉店したが、「あの味が忘れられない」という声は今も根強い。

★観光の要「男鹿国際ホテル」
昭和後期に開業し、男鹿半島の観光業を支えてきた老舗ホテル。ロビーから望む日本海の夕陽、露天風呂からの開放的な眺めが評判で、多くの修学旅行や団体ツアー客に親しまれていた。平成後期に入りリニューアル工事を経て名称も変わったが、旧館時代に宿泊した人々の記憶には「男鹿国際ホテル」の名が今も色濃く残る。

★地元民の社交場「喫茶エメラルド」
男鹿駅からほど近い場所にあったレトロ喫茶。落ち着いた照明と革張りのソファに囲まれ、地元の主婦や学生たちが時間を忘れて過ごした。看板メニューのナポリタンと自家焙煎コーヒーが評判で、午後のひとときにはいつも満席だった。惜しまれつつ2000年代初頭に閉店し、今は跡地に小さな診療所が立っている。

★潮風の本屋「男鹿ブックセンター」
かつて男鹿市船川地区にあった地域密着型の本屋。雑誌や学習参考書に加え、地元作家によるエッセイや、なまはげ文化に関する専門書も多数取り扱っていた。夏休み前になると店先に読書感想文向けの本が並び、子どもたちで賑わった。インターネット書店の普及と後継者難で閉店したが、ここで買った文庫本を「人生で最初に読破した小説」と語る市民も多い。

★土産と郷土玩具の宝庫「わらしべ屋」
男鹿水族館GAOの近くに存在した民芸品とお土産の専門店。「なまはげ面」「ハタハタ一夜干し」「曲げわっぱ弁当箱」など、観光客に人気の品が所狭しと並び、旅の締めくくりに立ち寄る人が後を絶たなかった。中でも手作りのなまはげキーホルダーは、「顔が一つずつ違う」と話題になった逸品。2010年代後半に閉業したが、現在でも一部商品は通信販売で手に入る。

★風と緑のテーマパーク「男鹿ファミリーランド」
1960年代に開園し、地元の子どもたちにとって憧れのレジャー施設だった。観覧車、ミニ動物園、ゴーカートなどが揃い、春の遠足シーズンや夏休みには県内外から多くの家族連れで賑わった。平成に入り施設の老朽化や入場者数の減少が続き、ついに閉園。しかしながら、ランド跡地から見える入道崎の風景は、今も多くの人の胸に残る“子ども時代の象徴”である。

★ソウルフード発祥の地「みその食堂」
「味噌ちゃんぽん」で知られる老舗食堂。出汁の効いた白味噌ベースのスープに、炒めた野菜ともちもちの麺が絡む逸品は、地元民の定番ランチだった。冬になると鍋焼きうどんやしょっつる鍋定食も登場し、観光バスの運転手たちの“穴場の食事処”としても人気があった。現在は2代目が経営する支店が近隣に移転し、伝統の味は継承されている。

★地域医療の砦「男鹿中央病院旧館」
昭和中期に建設され、長らく地域の中核医療機関として機能してきた旧館。古い造りながらも「患者に寄り添う」医療体制を貫き、地元住民の信頼を得ていた。今は新病棟が完成し、旧館は取り壊されたが、分娩室や面会ロビーでのエピソードは語り草になっている。

★潮騒の湯処「男鹿温泉センター」
男鹿温泉郷の中でも、日帰り入浴ができる公共温泉施設として、観光客や地元民に長年親しまれてきた。「薬湯」「岩風呂」「打たせ湯」などバリエーション豊富な湯が揃っており、地域の高齢者たちの社交の場でもあった。施設の老朽化により一時閉鎖されたものの、現在はリノベーションを経て再開し、地域活性化の拠点として生まれ変わっている。

★学びの聖地「男鹿高校旧校舎」
地元で進学を目指す若者たちの拠点だった男鹿高校旧校舎。木造二階建ての校舎には、音楽室のピアノの音が廊下に響き、文化祭の準備でにぎわう様子が地域にまで伝わった。統廃合の波により校舎は取り壊されたが、卒業生の同窓会では毎年「旧校舎での思い出話」に花が咲く。

★潮の香りのパン屋「ブレッドハウス浜風」
海沿いの住宅街に佇む小さなベーカリーで、地元の食卓を支えた店。天然酵母で焼き上げた素朴なパンは評判で、特に「イカスミパン」や「男鹿塩あんぱん」はテレビでも紹介された。店主の高齢化と後継者難で惜しまれつつ閉店したが、パンのレシピは今も地元のイベントで再現されている。

★夕陽とともに沈んだ「男鹿シネマ」
昭和30年代から40年代にかけて男鹿市に存在した映画館。木造の簡素な造りだったが、上映される作品には邦画から洋画まで多彩なラインナップが揃っており、デートスポットや子どもの娯楽の場として重宝された。ビデオ文化の到来とともに閉館となったが、「最初に見た映画がここだった」という思い出を持つ人も少なくない。

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●過去の出来事（掲載時）

■ 鬼の叫びが現代に響いた夜：なまはげ世界文化遺産運動の熱狂
男鹿市といえば「なまはげ」。この風習をユネスコの無形文化遺産に登録しようという取り組みが活発になったのは平成後期のことだ。市民有志と行政、地元のなまはげ行事保存団体が手を組み、「なまはげを世界へ」というスローガンを掲げて国内外へアピールを重ねた。イベントでは英語・中国語・韓国語など多言語でなまはげ体験を発信し、観光客は年々増加。やがて2018年、ついに登録が決定。男鹿の誇りは世界的文化資産として認められた。
この運動の影響は大きく、男鹿の地元小学校では英語でなまはげの由来を語る授業が導入されるなど、教育と観光が一体となって「鬼のまち」のイメージを内外に広げていった。

■ 廃線の記憶と再生の願い：船川線の終焉と男鹿線の現在
かつて男鹿市の中心部を走っていた「船川線」。1971年に全線が廃止されたが、その存在は今でも鉄道ファンや地元の間で語り草だ。国鉄時代の名残を残す遺構の一部は現在も駅跡などに見られ、廃線跡を辿る散策コースもある。
これに代わって今も運行されているのがJR男鹿線。特に2017年には「EV-E801系」という蓄電池駆動の電車が導入され、全国初の試みとして注目を浴びた。廃止からの再生、鉄道とエコが結びついた話題としても男鹿市を全国ニュースへと押し上げた瞬間だった。

■ 大自然の牙を食い止めろ：高潮と防災の教訓
男鹿半島は風光明媚である一方で、しばしば日本海からの激しい荒波に晒されてきた。特に1960年と1983年には高潮による大規模な浸水被害が発生。漁港や集落が甚大なダメージを受け、多くの家庭が避難を余儀なくされた。
この出来事を機に、市は堤防の強化や高潮警報システムの導入を加速させた。住民による防災訓練も定例化され、「防災教育先進地」として全国の自治体から注目されるようになった。自然と共生しながら災害と向き合う男鹿の姿勢が、多くの感銘を呼んだ。

■ 観光資源としての火山：寒風山の再発見
男鹿市のランドマークともいえる寒風山は、かつてはただのドライブスポットと見なされていた。しかし、火山地形としての価値や、360度パノラマを一望できるビュースポットとしての潜在力に気づいた観光戦略担当者が、2000年代に大規模なPRを展開。
「火山の地形を歩く」という新しい視点からの登山体験を打ち出し、学術関係者との連携によって地質観察ツアーが組まれるようになった。この結果、登山客のみならず修学旅行や地学ツアーの目的地としても注目を集めるようになった。

■ 海の恵みの危機と希望：ハタハタ漁と資源管理の取り組み
男鹿沖は古くから「ハタハタ」の名産地として知られたが、1980年代後半には乱獲と環境変化により激減。県と市、漁業者が一体となり「資源保護」のための禁漁措置や放流活動を実施。一時は市場から姿を消したハタハタも、2000年代以降、ようやく漁獲量が回復の兆しを見せた。
この成功は、男鹿に限らず全国の漁業関係者に希望を与え、持続可能な漁業モデルとして注目を集めた。男鹿市はその経験を活かして、子供向けの「漁業体験教室」も展開。海と共に生きる知恵を次世代へと伝えている。

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